重要拠点を再整備 さくらまちづくり計画の策定(日立市)

[2022/6/16 茨城版]
 日立市はこのほど、「~ひたちさくら彩(いろ)プラン~市さくらのまちづくり基本計画」を策定した。市のシンボルである桜を次世代に引き継ぐとともに、桜を活かしたまちづくりを推進するもので、重要管理拠点4カ所の再整備なども含め、桜による魅力的な交流拠点の創出などを進めていく。計画期間は10年間(22-31年度)としている。

 この計画は、まちの発展とともに桜を大切にしてきた先人たちの想いを受け継ぎ、市民・企業・行政の協働により桜を守り育てる意識の醸成を図るとともに、5年先、10年先につながるさくらのまちづくりを推進するための指針とするもの。平和通りとかみね公園で行われる日立さくらまつりは、最も多くの観光客が訪れるなど、市最大の観光イベントとなっているが、近年は平和通りやかみね公園を始め、植樹されてから長い年月を経た市内の桜の衰えが、少しずつ目立ってきている。このため、市の宝である桜を次の世代に引き継ぐよう、新たな体制やまちづくりの指針が求められている。

 計画では、22年度から31年度までの10年間とする基本理念と基本方針を定めるとともに、第1期計画として22年度から26年度の5年間に取り組む施策を定めた。このうち、基本理念には、「本市のシンボルである桜を次世代に引き継ぐとともに、桜を活かしたまちづくりを推進することにより、まちの活性化につなげる」を掲げ、基本方針として4つの方向性を定めた。

 4つの基本方針のうち、「桜を活かした魅力的な交流拠点の創出」では、自然環境に恵まれた市の特色を活用していく。立地に応じた独自性のある桜の拠点整備を推進する。既存の名所の再整備や新たな名所づくりに取り組むことにより、市内外から多くの人々が訪れる、日立らしい魅力的な交流拠点を創出するとした。

 具体的には、桜の重要管理拠点の再整備を推進し、魅力的な交流拠点を創出する。市を代表する桜を有する施設のうち、歴史・景観・利用などの観点から、重点的に桜の管理と保全に取り組むべき重要管理拠点として4カ所(平和通り、かみね公園、鞍掛山、十王パノラマ公園)を指定。これらの拠点には、古いもので植樹後70年以上が経過するなど、樹勢の衰えが目立つ桜もあり、新たな桜の植樹や樹勢回復などの再整備を行うことにより、桜の名所としての魅力向上を図る。

 このうち、平和通りについては、危険木に対する迅速な更新や、並木景観を維持しながらの更新、中長期的な並木の景観再生などを基本的考えとした。整備計画スケジュールによると、23年度までの第I期で、危険木の更新や植栽環境の改善などを進め、24年度から48年度までの第II期では、3年から5年ごとに診断を行いながら危険木の抽出を行い、危険木や衰退木の適宜更新や更新木の生長・適切な管理による並木景観の再生を図るとした。

 かみね公園では、21年9月策定の「かみね公園活性化基本計画」と整合性を図りながら、▽一目千本桜の公園整備▽日立紅寒桜と十色桜で長い期間楽しめる桜の演出▽華やかなエントランスで魅力づくり▽動物と一緒に色々な桜を楽しもう──を整備方針とした計画を検討する。整備計画スケジュールによると、23年度までに基本計画を定めた上で、24年度から25年度までに基本・実施設計をまとめ、26年度から31年度までに再整備を進めるとしている。

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