田川、巴波川は25年度 河川・砂防完了宣言 計63事業の見通し示す(県県土整備部)

[2022/6/10 栃木版]

 県県土整備部は、「とちぎの河川・砂防施設完了宣言2022~安全・安心とちぎを目指して~」を公表した。本年度から25年度まで概ね4年以内に河川改修、砂防事業および災害関連事業の完了が見込まれる主な事業をリーフレットにまとめており、本年度は五行川の河川改修や横山町IIA、両崖三号沢の砂防重点整備箇所などが完了する見通し。災害関連事業は本年度に思川、23年度に永野川と荒川、24年度に秋山川、25年度に田川と巴波川の完了を目指して事業を推進していく。=3面に事業完了予定箇所

 県は、県民の生命や財産を守る河川・砂防施設の整備状況についてわかりやすく伝えるため、主要な事業の完了時期や事業効果などの見える化の一環で完了宣言を06年度から公表している。掲載箇所は、概ね4年以内に完了する事業の完了時期および事業効果となっている。

 今回公表したのは、22年度が16カ所(うち砂防重点整備箇所9カ所)、23年度が16カ所(同13カ所)、24年度が14カ所(同12カ所)、25年度が11カ所が(同10カ所)。なお砂防事業は、老人福祉施設などの要配慮者利用施設や公共的建物など土砂災害で甚大な被害が生じるおそれのある重点整備箇所(203カ所)、および土砂流出箇所を優先的に整備している。

 具体的に見ると、22年度は五行川の芳賀町上延生地内の右岸遊水地整備1カ所と、さくら市氏家の氏家南部第1堰から国道293号上流まで0.4kmの河川断面拡大および護岸整備を、いずれも来春に完成させる。これにより芳賀町では上延生地区から下流域の、さくら市では氏家地区の浸水被害を軽減する。

 また、杣井木川では小山市押切地内の排水機場整備を来春に完了させ、押切地区の浸水被害を軽減する。大内川は那珂川町健武の武茂川合流点から同町大内の新馬坂橋まで1.3kmの河川断面拡大および護岸整備を来春に完了させ、那珂川町健武地区から大内地区の浸水被害を軽減する。

 砂防重点整備箇所は、横山町IIA(宇都宮市横山町)の擁壁工242mをこの夏にも完了させ、がけ崩れから横山町地区集落を守る。また両崖三号沢(足利市本城一丁目)は、砂防えん堤1基を冬にも完了させて、土石流から足利高等学校や本城一丁目地区集落を守る。

 23年度は、荒川で那須烏山市向田の向田橋付近から那須烏山市森田までの河川断面拡大および築堤延長5.1kmを完了させ、那須烏山市向田地区から森田地区の浸水被害を軽減する。また百目鬼川放水路(益子町益子)も、0.6kmの整備完了を目指す。

 砂防重点整備箇所は、島田沢(鹿沼市上永野)の砂防えん堤1基や鮎田(茂木町鮎田)の防護柵工340m、山下A(栃木市小野寺)の擁壁工56mや防護柵工177mなどを完了させ、それぞれがけ崩れから集落を守る。

 24年度は、秋山川で佐野市植下町の大古屋橋から統合堰付近までの河川断面拡大および護岸整備延長0.8kmを完了させて、佐野市植下町地区から下流域の浸水被害を軽減する。

 砂防重点整備箇所は、新谷沢(日光市東小来川)で砂防えん堤1基、北向IIA(茂木町青梅)で防護柵工200m、行人塚峠I-A(那須烏山市小木須)で法面工2300平方mなどを完了させ、がけ崩れから集落などを守る。

 25年度も、砂防重点整備箇所で下の沢A(鹿沼市口粟野)の防護柵工160mや地山補強工900平方m、自由ヶ丘沢(日光市大原)の砂防えん堤1基や渓流保全工100m、鷺ノ宮A(佐野市仙波町)の擁壁工200mなどを完了させる。

 このほか災害関連事業は、令和元年東日本台風の改良復旧事業に位置付けられた各河川について、25年度までの完了を目指し事業を進めていく。このうち思川は、鹿沼市久野から口粟野までの河川断面拡大および護岸整備3.2kmを実施していて、22年度に完了させる見通し。永野川の栃木市大平町から皆川城内町までの河川断面拡大・護岸整備10.6kmと、荒川の那須烏山市向田から藤田までの河川断面拡大・護岸整備5.9kmは、いずれも23年度の完了を目指す。

 秋山川の佐野市植下町から大橋町までの河川断面拡大・護岸整備3.0kmは、24年度の完了を目標に掲げる。田川の宇都宮市大曽から川田町までの河川断面拡大6.5kmおよび調節池整備2カ所と、巴波川の栃木市沼和田町から大町までの地下捷水路整備2.4kmについては、25年度の完了を計画している。

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