工事が3カ月遅れ LRT整備事業 調整後に開業時期公表(宇都宮市)
[2022/6/4 栃木版]
宇都宮市と芳賀町が進めているLRT整備事業で、工事の遅延が明らかとなった。野高谷町交差点区間において、交通影響により約3カ月の遅れが生じているという。宇都宮市は、事業の精査や関係機関と協議・調整を行ったあと、開業時期を改めて公表するとしている。
市では、JR宇都宮駅東側で2023年3月の開業を目指し、市内各所で工事を進めている。このうち清原地区の野高谷町交差点区間は、20年度に着手した現道拡幅工事や地下埋設物移設工事で、自動車交通の混雑に対応するため、交通規制範囲を縮小した影響で作業日数を要することとなり、約3カ月の遅れが生じて21年10月の引き渡しとなった。
21年10月に着手した橋梁の橋脚工事でも、工期短縮に向けた大型建設機械の増設について調達できず、作業員の不足もあって工期の短縮が図れなかったため、当初の予定から約3カ月遅れで、本年5月に引き渡しとなっている。
5月からは橋梁の橋桁工事に着手したが、その後の工事の工期短縮を検討した結果、橋梁整備後の軌道工事や電車線工事のスケジュールも考慮すると、工事の遅れを取り戻すことは困難とした。工事完了は年明けになる見通しとなっている。
野高谷町交差点区間については引き続き、工程の調整や工期短縮を検討し、当該区間を含む全線において最終的な工事スケジュールを精査。芳賀町や宇都宮ライトレール株式会社の協力も得ながら、試運転や各種検査など開業に必要な調整などを行い、国・県などの関係機関と協議・調整して、調整後に開業時期を公表するとしている。
整備費については改めて積算するとしており、必要となる事業については増額となる見通しとした。市議会議員から意見された、一部区間を先行しての部分開業などの手法についても、検討・調整を進めるとしている。