国補事業に700億円 公共工事の箇所付けを公表(県土木部)

[2022/6/4 茨城版]
 県土木部はこのほど、本年度の公共工事の箇所付けを公表した。本年度は当初予算分と1月補正を合わせて、約700億円の事業費を確保。主な事業では国道125号美浦阿見拡幅や国道118号袋田バイパス、中丸川などの整備を進めていく。

 県土木部によると、本年度の国補公共事業費については、国からの補助事業と交付金を合わせて約521億円が配分。前年度と比較すると1.06倍の微増となった。また、昨年度に国の「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」補正予算として、約174億円を配分した。本年度はこの1月補正予算を含め、約700億円の予算を執行していく予定となる。

 主な事業のうち、道路関係では主に国道125号美浦阿見拡幅や常陸那珂港山方線などの国土強靭化に関連する緊急輸送道路等のネットワークの整備をはじめ、国道354号境岩井バイパスなどの企業立地の促進を図る高速道路ICアクセス道路整備、国道118号袋田バイパスなどの観光地の渋滞対策などの事業を進めていく。また、橋梁の耐震化などによる強靭な緊急輸送道路ネットワーク整備についても、更なる加速化を図る。

 事業費をみると、国道125号美浦阿見拡幅では、1月補正で工事費に1億円、当初予算で工事と用地費に1億6500万円を確保。整備区間は美浦村大谷から阿見町竹来とし、全体計画は延長8500m(幅員25/13m)となる。

 常陸那珂港山方線には1月補正で測量・設計に3000万円、当初予算で測量・用地費に5000万円を充てる。整備区間は那珂市門部から額田南郷とし、全体計画は延長2300m(幅員12/6m)としている。

 国道354号境岩井バイパスでは、1月補正で工事費に2億3000万円、当初予算で工事費に5億2000万円を計上。整備区間は境町猿山から坂東市生子とし、延長6300m(幅員25/14m)で計画する。

 国道118号袋田バイパスでは、1月補正で工事費に3000万円、当初予算で5億円を確保。整備区間は大子町袋田から北田気とし、全体計画は延長3600m(幅員13/6.5m)となる。

 河川関係では、ハード対策として中丸川や西谷田川、女沼川などで、計画的に河川改修を進めていく。あわせて、ハザードマップ作成に必要な洪水浸水想定区域図の策定や、マイタイムライン作成支援などのソフト対策を組み合わせた流域治水対策を推進するなど、実効性の高い防災・減災対策に取り組むとした。

 事業費を見ると、中丸川では、1月補正で調整池整備や掘削工事に4億5000万円、当初予算で調整池整備や樋管工事費に4億5000万円を確保。全体計画は延長7600mとなる。

 西谷田川では、当初予算で築堤工事費に13億9700万円を計上。全体計画は1万3500mとしている。

 女沼川では、1月補正で築堤整備や用地補償費に5億円、当初予算で築堤整備や用地補償費に3000万円を充てる。全体計画は延長5500mとなる。

 港湾関係では、主に国内外のRORO、コンテナ貨物に対応した物流拠点である茨城港と、鹿島臨海工業地帯の原料・製品輸送基地である鹿島港で、利用頻度が高くかつ劣化が著しい施設の維持管理やふ頭用地などを計画的に進めていく。あわせて、防災・減災対策として防潮堤整備などの早期完成に努める。

 このうち、津波対策として、鹿島港海岸では1月補正で工事費に7億7500万円、大洗港区海岸では1月補正で工事費に1億円、常陸那珂港海岸では当初予算で工事費に1億1000万円を確保している。

 公園関係では、偕楽園の魅力向上などの観光振興策や県営公園の長寿命化対策を進める。このほか、下水道施設や県営住宅などの公共施設の長寿命化など、実行性の高い防災・減災対策を推進していくことを示した。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.