浄水場4カ所統廃合 30年度から5年で 適正規模に再編(宮城県 登米市)

[2022/6/2 宮城版]
 宮城県登米市は浄水場などの統合再編を検討しており、「水道事業施設統廃合計画」を取りまとめている。保呂羽(ほろわ)浄水場の再構築事業が終了後、米谷浄水場などを廃止し、配水ルートなどを見直す考え。2030年度から5カ年で統合再編を進める。事業費を16億8100万円と試算している。

 登米市は施設が老朽化している保呂羽浄水場について、給水量の減少を見越してダウンサイジングした上で、浄水設備などを更新していく。同浄水場の再構築事業では、2029年10月から新施設での通水を目指していく。

 市内には現在、浄水場だけで9施設があり、人口減少に伴って給水量も減っている現状では、今後の維持管理費が重くのしかかってくる。そのため、市は浄水施設、配水施設を統合再編し、適正規模に集約する方針を示している。

 5月31日に開かれた「上下水道事業運営審議会」(会長・山田一裕東北工業大学工学部環境応用化学科教授)で水道事業施設統廃合計画の最終案を示し、存続あるいは廃止を検討する施設の方針を説明した。6月中に同計画を成案化し、公表する考え。

 各施設の統廃合は、保呂羽浄水場の新施設で通水が開始される翌年度(2030年度)から、34年度までの5カ年で推進する。保呂羽浄水場と配水系統などで関連しない施設については、30年度より計画を前倒して統廃合に着手する。

 統廃合計画によると、各施設の老朽化対策や用途変更に係る改修などに、5年間で16億8100万円の事業費がかかると試算している。現行の施設を統廃合せず、老朽化対策を行った場合は5年間で31億5400万円が必要と試算していることから、14億7300万円の経費削減が見込める。ランニングコストについては、年当たり1515万円の削減を見込んでいる。

 市内には9カ所に浄水場があり、そのうち6カ所は急峻な地形が多い東和町域にある。これらを個別に評価した結果、施設規模の割に浄水コストが高い▽米谷浄水場▽楼台浄水場▽合ノ木浄水場▽大綱木浄水場──の4カ所を統廃合の検討対象に選定した。米谷、楼台の浄水場は、両施設にある配水池に保呂羽浄水場から送水できるため、廃止を軸に検討する。小規模な集落に配水している合ノ木、大綱木の浄水場については、運搬給水に切り替える方針だ。

 配水施設については市内21カ所のうち、統廃合の検討対象として11カ所を評価した。このうち、RC造のタンクで耐震性が低い▽本宮配水池▽相の山配水池▽大岳配水池──の3カ所について、廃止を検討する。また、設置場所が近い錦織配水池、米谷第1配水池、米谷第2配水池、楼台配水池については、錦織配水池に機能を集約し、同配水池を配水ポンプ場に改修した上で送水管を整備する。

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