20階1.3万平方mのビル整備 宇都宮駅西口南地区再開発 約58億で25年度完成へ

[2022/6/2 栃木版]

 宇都宮市の宇都宮駅西口南地区で進められている市街地再開発事業の事業計画案が、このほど明らかとなった。それによると、地上20階(高さ80m)地下1階建てで、RC造延べ床約1万3600平方mのビルを建設するという。今後、7月以降に都市計画審議会での審議などを経て都市計画を決定。事業計画認可を経て、再開発組合を設立させ、早ければ2022年度中にも着工して25年度に施設を完成させる見通しとなっている。事業費は、58億2728万円となっている。

 宇都宮駅西口南地区(駅前通り3-3-1~8)は、区域面積をJR宇都宮駅西口駅前広場の南に隣接する約0.2haとし、北と西に市道8号線、東に市道105号線、南に市道9号線が面している。地権者は8人(土地所有者6人・借地権者2人)。JR宇都宮駅西口地区は5地区で再開発事業が完成し、市街地の再整備が進められている。

 宇都宮駅西口南地区では建物の老朽化が進み、敷地の細分化や平面駐車場の存在など土地が低未利用な状況で、中心市街地の活性化、景観形成、安全・安心なまちづくりの観点などで課題を有している。同地区では、立地特性を生かした高度利用と都市機能の更新を行うとともに、都心居住のさらなる促進や歩行空間の整備と合わせた、賑わいある駅前空間を創出することで、駅周辺や市全体の活性化を目指す。

 これまで、18年12月に市街地再開発準備組合(巴山勝雄理事長)を設立。再開発計画オフィス(東京都新宿区)、AIS総合設計(宇都宮市)、旭化成不動産レジテンス(東京都千代田区)が事業協力者として参加して市街地再開発事業の検討を行っている。再開発事業の事業期間は、組合設立から2026年6月30日までを予定している。

 市街地再開発事業では、複合ビルを建設する。設計業務はAIS総合設計が担当しており、22年度に実施設計を策定する。設立認可後に工事業者の選定を行い、業者選定後に既存施設解体や本体建設の工事を行うとしている。

 複合ビルの敷地面積は約1300平方mとし、高さ80mの地上20階地下1階建てで、RC造延べ床約1万3600平方mのビルを計画する。付帯施設として、敷地南西にタワーパーキング1基を併設する。ビルの地下1階は駐輪場と機械室、1・2階は住宅や商業機能、3階は商業機能や機械室を設置。2階北側にはテラスを整備し、駅前にあるペデストリアンデッキと連結可能な構造を構想する。4~20階はマンションとし、101戸の入居を予定する。

 1~3階の低層部では、駅から視認性が高くアプローチしやすい北側に商業施設、東側に住宅共用部を配置。4~20階の高層部では、住宅専用部にできるだけ採光や通風を確保し、眺望できるような効率よい配置を行い、駅前ランドマーク性に配慮したデザインを行う。ビルの外観や色彩は、大谷石の採用やサインデザインの統一などで魅力的な景観形成を図るとしている。

 外周部で道路に面した空間は、建物のセットバックで歩行者空間(W2m)を設置する。市道8号線周辺では、樹木や足元緑化、ポケットパーク整備、タワーパーキングの壁面緑化を行う。商業エントランスは北側、住宅エントランスは東側に分離させる。

 1階店舗は歩道と一体化した計画とし、駅前で賑わいが連続するような空間を形成する。2・3階店舗は、外部テラスからのアプローチとしてさらなる賑わいを創出させるとし、2・3階テラスを緑化させる。

 災害対策については、防災倉庫の整備や浸水対策などを行う。バリアフリー化や、わかりやすいサインデザインも行う。

 事業費は58億2728万円を試算し、このうち調査設計計画が4億4159万円、土地整備が1億3432万円、補償が3億4997万円、工事が47億0548万円としている。

 調査設計計画において、建築設計は22年度に1億2540万円、23年度に2285万円、24年度に3047万円、25年度に761万円を計上。権利変換計画は、22年度に2310万円、25年度に2500万円を計上し、営業調査および時点修正は22年度に1683万円を計上する。その他業務は、22~24年度にそれぞれ1000万円、25年度に978万円を計上した。

 土地整備は、除却費で22年度に4324万円、23年度に9107万円を計上。建築工事は23年度に6億2762万円、24年度に29億8524万円、25年度に10億4603万円を計上し、その他工事は22~24年度にそれぞれ1000万円、25年度に1658万円を計上した。

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