外壁改修に工事費1.5億円 福岡中学校で7月着工へ(6月補正予算 宮城県 白石市)

[2022/5/31 宮城版]
 白石市は30日、定例記者会見を開き、市議会6月定例会に上程する補正予算案などを公表した。一般会計第3号補正予算は8億1815万円を計上し、このうち3月の福島県沖地震関連で災害廃棄物処理事業費に2億9835万円、学校関連の災害復旧費に1億5213万円を措置。地震以外では福岡中学校の外壁等改修事業に1億4967万円を計上し、外壁の剥離などの対策のほか、屋上防水工事を実施する。7月の着工を目指す。定例会は6月3日に開会する。

 市は3月の地震で半壊以上の判定を受けた家屋などを市が費用を負担して解体・撤去する方針。そのため補正予算に災害廃棄物処理事業として、公費による解体業務と災害廃棄物収集運搬処分業務の委託費に計2億1579万円を措置。活用希望者は20日時点で43人を見込む。また自らの費用負担で解体・撤去した住民に対する15人分の費用返還金7955万円も計上する。

 地震による学校関連の災害復旧費の内訳は工事費1億4700万円、工事監理委託費495万円。白石第二小学校や白石中学校など小・中学校6校のほか、学校給食センターの復旧に充てる。白石第二小では防火シャッターのゆがみや体育館壁のひび割れなどの被害が生じた。

 地震関連以外では、福岡中学校に工事費1億4685万円、工事監理委託費182万円を措置。ことし2月にあーきてくつ・ちば一級建築士事務所(仙台市青葉区)に委託した調査設計業務がまとまったことから事業費を計上。校舎は築40年以上を経過しており、昇降口付近の西側外壁の剥離や、南側の外壁に鉄筋露出などが確認されている。工事では外壁と併せて屋上の防水も予定する。校舎は1978年に建てられたRC造(一部木造)3階建てで、延べ床面積が3325平方m。改修は7月にも着工し、年度内の完成を目指す。

 このほか、蔵王国定公園内にある「水芭蕉の森」に工事費3000万円を計上。経年劣化した木製の散策路を改修する計画で、総延長530mのうち、本年度に延長83mをプラスチック製の擬木に更新する。統合型GIS更新事業には期間を22~28年度とする限度額5700万円の債務負担を設定した。

専決で復旧費約1.3億円 白石城とホワイトキューブ

 6月議会には、専決処分した一般会計第11号補正予算の承認議案も提出する。4月28日付で専決しており、3月の地震で被災した社会教育施設の災害復旧工事費として1億2742万円を充当。文化体育活動センター(ホワイトキューブ)と白石城に充てる。地震によるホワイトキューブ被害は総額8億円ほどに上る見通しで、音楽ホールの天井パネルや照明の落下、ガラス張りの外壁破損などが生じた。今回専決処分した予算は、応急的なもので、落下の危険がある天井パネルなどの撤去費用として充てる。本復旧費は国の補助金などの動向を見て今後改めて計上する見通し。

 白石城は昨年の地震で被害を受けて、災害復旧を行っているさなかに再度被災した。安藤ハザマ東北支店(仙台市青葉区)が併せて復旧工事を担当する。総工事費は1億5000万円ほどで、ことし2月に着工した。9月末までの完了を目指す。

 なお、安藤ハザマの協力を得て、6~8月の金・土・日曜日の計15日間、城の災害復旧工事見学会を開催する。主催は市文化体育振興財団(白石城管理事務所、電話0224-24-3030)で、事前予約の上、各日20人程度を受け入れ、伝統工法を用いた漆喰壁の補修などを間近で見学してもらう計画だ。

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