4病院再編構想 病院用地を宮城県に提案 知事は「有力な候補地」 宮城県 富谷市と宮城県 名取市の2カ所

[2022/5/28 宮城版]
 県が構想している仙台赤十字病院など4病院の再編に向けて、名取市と富谷市はそれぞれ病院用地を用意し、県に提案した。名取市は植松入生地区の国道4号沿い、富谷市は赤石台地区の土地区画整理事業地内に病院用地を確保。村井嘉浩知事は27日、両市からの提案を受け「有力な候補地として検討したい」と前向きに答えた。

 名取市の用地はNTT東日本の所有で、面積が約4.8ha。病院用地に決まれば市が購入する。用途地域は準工業地域。JR館腰駅と、仙台東部道路の名取中央スマートインターチェンジ(IC)からともに1.3kmの距離にある。

 名取市はここに県立がんセンターと仙台赤十字病院を統合した施設を誘致したい考え。段差があって造成が必要なものの、更地ですぐに建設が可能としている。

 富谷市の用地は組合施行の区画整理事業で生み出しており、面積が約6ha。東北自動車道の泉ICから3km、JR泉中央駅から3.5kmの場所に位置している。用途地域は第一種中高層住居専用地域を予定。近くには東向陽台小学校や東向陽台中学校などがある。

 富谷市はここに東北労災病院と県立精神医療センターの統合施設を誘致したいと考えている。区画整理事業は年度内に終わる見通し。

 27日には山田司郎名取市長と若生裕俊富谷市長が県庁を訪れ、村井知事に統合病院の整備場所を提案した。村井知事は交通のアクセスなども良いことから、有力な候補地という認識を示した。

 県の4病院再編構想は、仙台赤十字病院など既存の4つの病院を2カ所に集約する形で新たな病院整備を検討している。本年度は「仙台医療圏地域医療構想推進業務」を日本経営(本社・大阪府豊中市)に委託した。

 この業務では、4病院の現状・課題の整理、データ分析、新病院の立地・建物の規模、整備スケジュールなどを検討することになっており、今回提案された用地もこの業務で調査する。履行期間は2023年3月17日まで。

 県は引き続き各病院の運営者などと協議を進め、年度内の基本合意を目指す。基本合意には整備場所なども盛り込むことにしている。

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