体験拠点など整備 神之池緑地整備計画を公表(神栖市)

[2022/5/28 茨城版]
 神栖市はこのほど、神之池緑地整備基本計画を公表した。整備コンセプトを「カラダとココロ、そしてまちが元気になるにぎわいづくりの拠点」に設定し、体験拠点と公園施設の整備を進めていく。具体的には、体験拠点でランニングステーションやサイクルステーションの整備、艇庫の拡張を行う。公園施設では大型遊具やカフェ、休養施設の設置、駐車場の拡張などを計画する。このうち、体験拠点施設の整備については、23年度から26年度までの4カ年で実施していく見通しだ。

 この計画は20年度に策定した「まちのにぎわいづくりプラン」に基づき、神之池緑地の魅力を向上させ、定住人口と交流人口の拡大による地域の活性化が目的となる。同プランによると、神之池緑地の魅力開発の施策として、ランニングステーションなどスポーツ関連の「体験拠点整備」と、遊具や休憩施設などの「公園施設整備」の2つのエリアに関する整備が示された。基本計画では、この2エリアの整備について、整備方針や具体的な整備の内容を検討してきた。なお、業務は八千代エンジニヤリング茨城営業所(水戸市)が担当した。

 神之池は溝口地内に位置し、池の面積は約44ha。池周辺には市民体育館や武道館、文化センターなどの施設があり、市民の憩いの場となっている。アンケートや立地特性、施設設置状況などを踏まえ、同緑地の課題を▽にぎわいの創出▽既存資源・立地特性の活用▽健全な資源環境▽機能の導入・更新▽既存施設の更新▽財政負担の軽減──の6項目に整理した。

 こうした課題の内容を検討した結果、神之池緑地全体の整備コンセプトを「カラダとココロ、そしてまちが元気になるにぎわいづくりの拠点」に設定。目指すべき将来像に、▽既存資源を活かした神之池らしい魅力ある緑地▽市内外問わず多くの人に利用され、愛される拠点▽安心・安全に利用できる公園施設と健全で豊かな緑▽将来にわたり持続可能な緑地──を盛り込んだ。

 具体的な整備内容としては、神之池緑地を体験拠点と公園施設の2エリアに分割して整備していく。体験拠点には、同地の特性を活かしてランニング・ウォーキングコースの利便性を向上するランニングステーションを整備する。その際には、水面や工場群への眺望を活かした施設にしていく。また、カヌー競技の拠点として艇庫の拡張も行う。

 このほか、体育室の整備や地域スポーツ活動の拠点、周辺サイクルルートとの連携を図るサイクルステーションの整備なども検討していく。なお、体験拠点施設の維持管理や運営については、民間事業者のノウハウを活用する。施設の整備の際には、耐潮性、耐久性の高い材料を使った施設への更新やバリアフリー化なども盛り込んだ。

 公園施設については、神之池や緑地工場群への眺望を考慮した遊具とカフェを設置していく。このうち、遊具については周辺の公園にはない、集客効果の高い遊具の設置を検討している。具体的には、大型ネットや乳幼児専用遊具エリアなどを想定。大型遊具ついては、既存の帆船型複合遊具を撤去した後に設置する。

 カフェについては設置管理制度を活用して整備していく。その際にはドライブスルー機能も導入し、国道124号の道路利用者の誘客も見込んでいる。また、休憩施設として四阿やパーゴラ、ウッドデッキなどの導入を計画する。駐車場については、今後利用者数が増加することが予想されるため、拡張を行う。整備場所は既存駐車場の西側での整備を予定している。

 体験拠点と公園施設エリアに加えて、ランニングコースの改修や樹木の再配置、公園灯のLED化、バーベキュー場の再整備、噴水の設置なども検討する。このうち、ランニングコースについては、経年劣化や段差の解消などを実施していく。

 本年度に実施する事業としては、大型ネット遊具やカフェの設置、駐車場の拡張、市民体育館の解体設計、緑地再生計画などを予定する。事業費には、市民体育館解体設計委託料1570万円や神之池緑地緑化再生計画策定委託料2889万円、大型遊具の更新工事費7310万円、駐車場整備工事費3209万円などを盛り込んだ。工事の発注時期は駐車場整備が第1四半期、大型遊具が第2四半期を予定している。

 今後のスケジュールとしては、体験拠点施設の設置と公園灯のLED化を23年度から26年度にかけて実施する。ランニングコースの改修は24年度から28年度までを予定。休憩施設やバーベキュー広場、噴水の整備時期は検討中となっている。

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