本砂金地区で配水管更新 22~31年度に工事5件 水道事業の個別施設計画(宮城県 川崎町)

[2022/5月27日 宮城版]
 川崎町は計画期間を2022~31年度とする水道事業の個別施設計画をまとめた。水道施設の多くが老朽化しており、法定耐用年数を超えた基幹管路を優先的に、土木構造物のライフサイクルコスト等も踏まえながら戦略的に維持管理に取り組む。計画期間の主な事業として、青根浄水場の導水管敷設替えや、本砂金地区の配水管更新など5つの工事(別表参照)を予定。本砂金は25年度から5カ年をかけて進める見通しで、概算で6億6000万円の対策費用を見込む。

 個別施設計画は、21年3月に策定された厚生労働省インフラ長寿命化計画などに基づきまとめた。同町の計画は道事業が所有する水道施設を対象とし、期間は22年度から10年間。点検結果や社会情勢といった状況も踏まえ、適宜見直す。

 同町の水道事業の概要を見ると、給水区域は3月時点で47.13平方km、給水人口8091人。主要施設は▽浄水場8カ所▽配水池14カ所▽水源施設9カ所──など。管路総延長は197.64kmに上る。このうち敷設から40年を経過する配水管路は3.9km。耐震化率は20年度末時点で0.9%(全体の2%)となっている。

 配水管のほか、本砂金浄水場などの水道施設も建設から40年を迎えており、老朽管対策や耐震化に加え、設備の大規模改修や更新も必要になることから、対策の優先度は耐用年数のほかライフサイクルコスト等も踏まえて見極める。計画期間には水道施設台帳の整備や、今後見直す経営戦略の投資・財政計画に基づくアセットマネジメント手法を用いた更新計画などにも取り組む。

 水道は生活の根幹を支えるものであり、限られた財源の中で適切な運営が求められる。そのため、期間内に計画する工事について概算の対策費用(更新需要)の見通しを設定。これに基づき財源となる交付金などの確保に取り組む。

 主な対策工事を見ると、青根浄水場では川音川の導水管を敷設替えする予定。昭和30年代に敷設された施設の老朽化が進み漏水が多発している。本年度は設計に着手する計画で、予算に委託費1500万円を確保済み。本砂金地区の配水管は昭和60年代に敷設された。劣化による漏水事故が年々増加しており、対策が必要となっている。更新の総延長は約10kmを想定。生活基盤施設耐震化交付金事業の活用を見込む。

■川崎町 水道事業個別施設計画:予定対策工事の概要
工事名 計画期間
(年度)
総延長 概算費用 敷設後の管種(予定)
青根浄水場導水管敷設替工事 22~25 1500m 1億5000万円 ダクタイル〔φ150㎜〕
松峰・薬師堂水道管敷設工事 23~ 840m 2000万円
(町単費)
ポリエチレン〔φ30㎜〕
本砂金地区配水管敷設替工事 25~30 1万0400m 6億6000万円 配水用ポリエチレン〔φ150㎜〕
北向釜房線配水管敷設替工事 30~ 2370m 1億1139万円 配水用ポリエチレン〔φ100㎜〕
腹帯地区配水管敷設替工事 未定 3124m 1億4682万8000円 配水用ポリエチレン〔φ100㎜〕

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