水閘門改築を検討 早期の新規事業化へ(江戸川河川)
[2022/5/26 千葉版]
国土交通省江戸川河川事務所は25日、江戸川水閘門改築他検討業務の簡易公募型プロポーザルを公告した。江戸川下流部の治水機能を確保するため、老朽化した江戸川水閘門を撤去し、同じ機能をもつ水閘門を改築する計画。同業務の成果を踏まえ、事業計画案をとりまとめ、新規事業採択時評価を経て、早期の事業化を目指す。
同業務では、江戸川下流部に位置する江戸川水閘門について、水門・閘門、魚道を含む低水管理施設などの水理諸量を整理し、河道変動に対する対策工を検討。併せて、中川中流部にある柿木樋管の改築にあたり、仮設計画を検討していく。履行期間は8月下旬から2023年2月下旬を予定している。
プロポの参加資格は、関東地方整備局(港湾空港関係を除く)の21・22年度「土木関係建設コンサルタント業務」に関する一般競争(指名競争)参加資格の認定を受けていることなど。業務実績として「河川に設置された水門または堰の流下能力解析を行った業務」を求めている。6月15日まで参加表明書と技術提案書を受け付けている。
江戸川水閘門は、江戸川放水路分派後の旧江戸川上流端に位置する。1943年3月に竣工し、築80年近くが経過。鋼製ローラーゲートで、規模は水門が幅10.6m×扉高5m×5門、閘門が幅13.4m×扉高6.5m×2門となっている。
3月に開催された関東地方整備局の計画段階評価検討委員会(委員長・山田正中央大学研究開発機構教授)では、江戸川下流部の治水機能確保対策について、対応方針案を審議した。
複数案を比較・評価し、対策案として「江戸川水閘門改築案」と「江戸川水閘門を迂回する放水路整備案」を抽出。コスト面などで、老朽化した現施設を撤去し、同じ機能をもつ水閘門を改築する「江戸川水閘門改築案」が了承された。事業費は約540億円を概算している。