建設費は約13億円 複合施設の基本設計を公表(かすみがうら市)
[2022/5/24 茨城版]
かすみがうら市はこのほど、神立駅周辺で進めている複合交流拠点施設の基本設計が策定したことを明らかにした。基本設計によると、総事業費は約29.6億円に設定。内訳は建築工事費約13.4億円や、公園工事費約4.3億円、用地購入費約10億円、その他約1.9億円となる。複合交流拠点の構造・規模はS造平屋2270平方mに設定した。本年度は8月ごろにも実施設計を発注し、年度内に設計を策定していく。建築工事は23年度からの着工を目指す。
複合交流拠点は、窓口機能の移転とサービス拡充、都市計画道路神立停車場線沿線区域へのコミュニティ機能の新設、同市の都市公園保有面積の拡大などを理由に整備を行う。建設場所は、稲吉南2丁目の敷地2万8366平方m。敷地北側は神立停車場線に接道し、神立駅からは約660mの距離の立地となる。敷地内には複合交流拠点施設に加えて、防災機能を有した公園を整備する。なお、基本設計はパシフィックコンサルタンツ茨城事務所(水戸市)が策定した。
基本設計によると、施設整備の基本方針には、▽若者・学生が気軽に立ち寄ることができて、日常の居場所となる場▽子育て世代が子どもとともに安心して立ち寄ることができ、子どもも安心して遊べる場▽地域住民が生きがいや活躍の場、災害時の避難の場など多目的に利用し、地域コミュニティを形成する場▽来訪者の待合・休憩の場となり、市の観光情報や地域情報を発信する場──を盛り込んだ。
複合施設に導入する機能については、コミュニティ機能や図書・学習機能、窓口機能などを想定。地域住民とのワークショップの内容を踏まえ、施設内には▽図書館・学習スペース▽カフェ・飲食スペース▽窓口事務室▽エントランスホール・フリースペース▽ミーティングルーム▽管理事務室──などを配置する。
このうち、図書室・学習スペースは、公園と離れた比較的静かな位置に図書室を設け、利用者がゆっくり利用できるように計画。また、子ども用の絵本を設置した児童書コーナーや、電源・Wi-Fiを備えた学習スペースを設置していく。
カフェ・飲食スペースは、道路利用者や歩行者が認識しやすく、入りやすいよう道路に面して配置。さらに、フリースペースと隣接させ、カフェ・飲食スペースで購入した飲み物をフリースペースでも飲食できるように計画する。
また、敷地内には駐車場と公園も整備する。駐車場は災害時にも対応できるよう、大きめに整備していく。公園についても防災機能を有した公園とし、かまどベンチなどの設置を検討している。
複合交流施設の構造・規模はS造平屋2270平方mとした。総事業費は約29.6億円に設定。内訳は建築工事費約13.4億円や、公園工事費約4.3億円、用地購入費約10億円、その他約1.9億円となる。このうち、建築工事については、建物本体に12億8070万円、太陽光に980万円、映像音響に1400万円、BDSに1120万円、図書什器に2800万円を想定している。
施設の整備・運営にあたっては、民間活力の導入を検討する。これまでに、同種類似施設の管理業者や図書館運営業者、カフェチェーンなど計14者とサウンディング調査を実施。今後は、実施設計内でより詳細な調査を行う予定だ。
今後の課題としては、▽建物の外壁・内壁、仕上材料の仕様確定▽各所要室での設計条件を踏まえた具体的な計画▽公園施設に盛り込む具体的な計画▽カフェの導入検討▽災害時の運用──などを挙げている。
実施設計の発注時期は、8月ごろになる見通し。入札方法は一般競争入札を予定している。
スケジュールとしては、本年度に用地取得と実施設計を策定する。23年度には建築工事を実施し、24年度に複合交流拠点の供用を開始する。災害機能を有する公園については、24年度に着工し、25年度の供用を目指す。