佐藤総合JVを選定 新庁舎建設の設計プロポ(桜川市)

[2022/5/19 茨城版]
 桜川市は「新庁舎建設事業基本設計・実施設計業務」に係る公募型プロポーザルで、最優秀賞に佐藤総合計画(東京都墨田区)・柴建築設計事務所(水戸市)・河野正博建築設計事務所(つくば市)JVを選定した。同JVの提案は、外観はシンプルなデザインとし、内装は木質化を図っている。5月末までに契約を締結する予定。履行期間は23年8月31日まで、委託金額は1億3066万円を上限とする。新庁舎建設工事と外構工事は23年11月-25年9月に行い、25年12月の開庁を目指す。

 プロポーザルの一次審査では提案書を提出した4者全員が通過。7日には真壁伝承館まかべホールで二次審査の公開プレゼンテーションとヒアリングを実施した。そのあと「桜川市新庁舎建設事業設計者選定委員会(委員長・大月敏雄東京大学大学院工学系研究科教授)」で審査を行った結果、最優秀賞に佐藤総合計画JVを選定した。また、優秀賞には遠藤克彦建築研究所(東京都中央区)・三上建築事務所(水戸市)JV、審査委員特別賞に環境デザイン研究所(東京都港区)・エイプラスデザイン(水戸市)JVと横河建築設計事務所(東京都品川区)・増山栄建築設計事務所(つくば市)JVが選ばれている。

 最優秀賞に選定された佐藤総合計画JVの提案では、既存施設の南側に土地の高低差を活かした4階建ての新庁舎を建設することを示した。段差のある1階はS造で、2-4階はRC造とし、耐震構造を採用。メインエントランスは1階南側に設け、1階内部の高低差については、スロープやステップギャラリーでつなぐ。外観はシンプルなデザインとし、内装は地場産材による木質化を図り、ぬくもりのある空間とする。東庁舎は会議室などに活用し、書庫は新庁舎内に分散して配置していく。来庁者駐車場は南側に整備し、バスロータリーは西側の高台に設置する計画となる。

 基本・実施設計の業務内容には、新庁舎の建設設計をはじめ、大和東庁舎(RC造3階建て、延べ1100平方m)の大規模改修設計、西庁舎解体設計、関連施設の解体・移設設計などを盛り込む。

 これまでの検討から、新庁舎は本庁舎方式を採用し、羽田地内に立地する大和庁舎の敷地を中心とした周辺の市有地約2万1900平方mに建設する。建物は4階建てで、延べ面積は約9000平方m程度を予定。このうち、新耐震基準で建築された既存の大和東庁舎は大規模改修を実施して有効活用することから、新たに建設する庁舎の規模は約7900平方m程度となる。また、新庁舎の整備に加え、岩瀬地区と真壁地区に支所を設置する計画となっている。基本計画は柴建築設計事務所(水戸市)で策定した。

 敷地内には公共交通バスの転回用ロータリーを確保し、駐車場は敷地内に公用車駐車場(100台・面積2500平方m)、来庁者駐車場(150台・面積3750平方m)を設けるほか、職員・議員駐車場(400台・面積1万平方m)は敷地脇に立体駐車場の建設を検討する。概算事業費は42億4000万円と試算しているが、原材料費が高騰した場合には最大で47億4000万円までの増額を見込んでいる。

 今後のスケジュールは、23年8月末までに設計がまとめる。その後、23年11月から25年9月にかけて新庁舎建設工事と外構工事および真壁支所建設工事を実施する。25年10-11月には開庁準備作業を行い、25年12月の移転・開庁を見込んでいる。

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