情報共有システム導入 5000万円以上の建設工事で(千葉県)

[2022/5/13 千葉版]
 千葉県県土整備部は、情報共有システム(ASP)を導入した。営繕工事を除く設計金額5000万円以上の建設工事が対象となる。インターネットを利用して、工事ごとに打合せ簿や履行報告などの書類を一元管理するシステムで、業務の効率化やコスト縮減などが期待されている。

 ASPは、アプリケーション・サービス・プロバイダの略で、プロバイダがインターネットを通じて、アプリケーションサービスをレンタルするサービス。受発注者間で取り扱う書類(工事打合せ簿など)や写真、図面などを提出・決裁できるシステムとなる。

 受注者と発注者の双方が、対面での打ち合わせ回数を減らせるほか、協議・確認・伝達などの時間を短縮できるため、間接経費の削減や業務の効率化、省力化による生産性の向上が期待できる。

 県土整備部の実施要領をみると、対象工事は当初設計金額5000万円以上の工事、もしくは受注者が希望する工事とする。受注者と発注者との協議により、利用するかどうかを決定する。

 対象となる書類は、工事着手前の施工計画書や施工体系図、施工中の工事打合せ簿や工事履行報告、工事完成時の品質証明書や総合評価現場確認など。半分程度が対象となる。電子納品データの作成も簡単で、ダウンロードすることができる。

 本県では、アイサス、建設システム、川田テクノ、建設総合サービス、NEC、ビーイング、現場サポートなどがサービスを提供している。利用料は月額1万円前後で、初期費用が必要な場合もある。

 受注者が工事ごとに利用契約を結び、プロバイダに利用料を支払う。本県では、土木工事など積算において、システム利用料が共通仮設費の率計上に含まれている。

 この要領は3月15日から適用されている。県技術管理課は、本年度の実績などを踏まえ、対象工事の拡大を検討していく方針だ。

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