[2022/5/12　栃木版]

　真岡市は、国から地域再生計画「井頭周辺エリアを核とした真岡市の魅力発信計画」が認定されたことを受け、同エリアの各種整備に着手する。市プロジェクト推進課によると、2022年度は宿泊施設の井頭温泉チャットパレスで、ろ過設備修繕、空調設備更新、屋外トイレ設置、Wi-Fiアンテナ設置、防犯カメラ設置の5工事を第2四半期にも発注する。このほか、トレーラーキャビン、体験圃場や駐車場、給排水設備、歩行者用通路の整備を計画しており、これらの整備時期は未定としている。

　井頭周辺エリアは、市内で一番の観光入込客数の地域であるものの、滞在時間や滞留時間が乏しいという課題を抱えている。市は、新たに魅力ある宿泊施設や体験圃場などを整備することで、周遊性を高めて滞在時間を延ばして、さらなる観光誘客を促進し、交流人口の増加につなげていく。計画期間は2022年4月1日から25年3月31日までで、整備事業費は1億5390万円を計画している。

　計画では、井頭周辺エリア活性化協議会に民間アドバイザーを招聘するなどのほか、井頭温泉チャットパレス内のグランピング施設を整備して、屋外トイレ、屋外用Wi-Fi、防犯カメラを設置し利用者の満足度を高める取り組みを実施する。交付対象外の関連事業としては、チャットパレス本館宿泊施設でろ過設備の修繕工事や空調設備更新工事も実施するとしている。

　グランピング施設ではこのほか、新たにトレーラーキャビン4棟を整備する。既存のグランピング施設(ドームハウス5棟)とチャットパレス本館と合わせ、客室のバリエーションを増やして宿泊需要に対応し、市の滞在時間を増加させ、市の観光の相乗効果を図る。

　トレーラーキャビンについては、20フィート規模のものを設置し、シャワーと外部デッキも設ける。

　観光集客に向けては、井頭観光いちご園に隣接する農地を活用し、通年で収穫体験が可能になるよう体験圃場を整備する。体験圃場は、露地栽培を想定している。通年誘客施設として観光客の利用増も見込まれるため、圃場に隣接するよう駐車場も整備する。

　市の農産物販売交流施設いがしら(あぐ里っ娘)では、イベントなどで地元食材を活用した食が味わえるキッチンカーの受入場所を整備するとしており、駐車場内にキッチンカーのための給排水設備などを設ける。

　施設間の周遊性・回遊性確保に向けては、井頭温泉とあぐ里っ娘について、徒歩でアクセスしにくい状況にあるため、井頭温泉駐車場敷地境界の生垣を整備し、歩行者用の通行路を設置する。井頭温泉やチャットパレスの樹木は伐採し、これにより、井頭公園からのチャットパレスへの視認性を高めて存在感をアピールして、観光集客につなげるとしている。