千波公園でプロポ パークPFI活用の拠点整備(水戸市)
[2022/5/10 茨城版]
水戸市はこのほど、千波公園におけるパークPFI制度を活用した事業者の公募を開始した。公募の対象となる区域は、黄門像広場周辺地区の約1万7000平方m。同地に建築面積上限5000平方m程度の観光交流拠点を整備する。応募登録は9月9日まで受け付け、11月にも事業者を決定する見通し。その後、本年度内に基本協定や実施協定などの締結を行い、23年度末から着工し、24年度以降の開業を目指す。
千波公園は、偕楽園公園とともにさらなる魅力の向上に向け、県との連携や官民連携により整備を進めている。整備にあたっては、16年度に策定した偕楽園公園(千波公園等)整備基本計画に基づき、市民の憩いの空間として、観光交流拠点として再整備を行う。
再整備の際には、事業手法にパークPFIを導入する。民間活力の導入により、誰もが気軽に利用できる施設を整備し、来園者に更なる付加価値を与えることが出来るような賑わい創出拠点の形成を目指す。
この複合施設の整備に向けて市は19年度にマーケットサウンディング調査を実施し、民間事業者の意向を把握。その際には多数の事業者が参加し、意欲的な意見が多く出ていたという。しかし、その後、新型コロナウイルスの影響により、社会情勢が大きく変化。これを踏まえ、適正な公募時期を把握することなどを目的に、市では改めて21年度に市場調査を実施した。
2回目の市場調査では、個別対話に4者が参加。主な提案内容は飲食施設や物販施設、屋根付きイベント広場、アウトドア関連、健康関連など。魅力向上としては、▽マルシェの定期開催▽スポーツイベントの誘致・開催▽既存の公園活動との連携▽屋根付きイベント広場を活用した雨天時のイベント開催──などが提案されたという。
市場調査の結果、公募への参加意欲がある事業者が複数存在することが判明。これを受けて市では、千波公園のパークPFI事業の公募を開始することを決定した。
公募の対象区域は千波公園の一部である黄門像広場周辺地区で、面積は約1万7000平方m。レイクサイドボウル跡地を含めた一体的な整備に優先的に取り組む。なお、設置可能な建築面積の合計の上限は5000平方mとなっている。
公募設置等計画の認定の有効期間は工事開始日から20年間に設定した。また、市が負担する費用の上限額は税込1億円とする。
公募対象公園施設の種類については、「千波公園が来園者にとって魅力的に感じられ、賑わい創出拠点となりうるような施設」と規定した。具体的には、飲食・物販機能を有する施設や、千波公園利用者の利便性向上に関係する施設などを想定する。
施設整備にあたっては、ユニバーサルデザインや公園への安全性のほか、良好な景観の形成、環境負荷低減などに配慮した提案を求めている。また、公募対象区域内に特定公園施設として、広場と独立したトイレを整備することも求める。なお、既存のトイレの活用も可とする。
応募資格は法人または法人のグループであること。また、公募対象公園施設と特定公園施設の工事を行うものは、建築一式工事で建設業の許可を有することが求められる。なお、事業者に選定された場合には、水戸市に本店、支店または営業所を有することが必要となる。
公募説明会の参加申込は17日までとし、説明会は27日に実施する。公募設置等計画の受付は9月12日から22日までとなる。書類審査とプレゼンテーションを行い、11月中にも事業者を決定。その後、基本協定を締結し、設計に着手する。23年度中に設計をまとめ、実施協定を締結。23年度末からは着工となり、24年度以降の開業を予定している。
市では千波公園の整備として、パークPFIの導入に加えて、機能向上施設や駐車場の整備などを進めている。実施計画によると、千波公園整備の事業費として22-23年度の2カ年で3億8000万円を計上。本年度にはパークPFI事業者を選定するとともに、機能向上施設の調査・設計、駐車場整備工事を行う。23年度には機能向上施設とトイレなどの整備工事を実施する見通しだ。
このうち、機能向上施設は、公園利用者の利便性向上を目的とした施設となる。施設の機能や規模についてはこれから検討していくという。
公募に対する問い合わせは、都市計画部公園緑地課千波湖管理室(電話029-232-9214)まで。