道路事業に293億円 事業概要 千代田石岡BPを推進(常陸河川国道)

[2022/5/7 茨城版]
 国土交通省常陸河川国道事務所(日下部隆昭所長)はこのほど、事業概要をまとめた。河川事業と道路事業を合わせた総事業費は302億7300万円となり、対前年度当初比11.7%増となった。内訳は道路事業が293億7300万円、河川事業が8億9100万円となっている。このうち、道路事業の主なものでは、国道6号の千代田石岡バイパスや大和田拡幅、国道50号の下館バイパス、国道51号の新宮橋架替事業などを盛り込んだ。

 道路事業費の内訳をみると、改築事業では、▽東関道水戸線(潮来~鉾田)193億4200万円(常総国道事務所分含む)▽国道6号千代田石岡バイパス15億8000万円▽国道6号酒門町交差点立体1億円▽国道6号東海拡幅3億9500万円▽国道6号大和田拡幅13億7500万円▽国道6号日立バイパス(II期)5億6500万円▽国道6号勿来バイパス6億円▽国道50号下館バイパス12億7500万円▽国道50号協和バイパス2億円▽国道50号桜川筑西IC(延伸)1億6700万円▽国道51号潮来バイパス6000万円▽国道51号神宮橋架替29億3900万円──となる。このほか、電線共同溝事業では、国道6号吉沢町電線共同溝に7億7500万円を確保している。

 主な事業をみると、国道6号では、千代田石岡バイパスの恋瀬橋下部工事や酒門町交差点立体の調査設計、東海拡幅の調査設計や用地取得、大和田拡幅の改良工事などを進めていく。

 このうち、千代田石岡バイパスでは、第2四半期に一般競争入札で恋瀬川橋下部工事の発注を予定している。この事業は、石岡市街地の交通渋滞緩和や、茨城空港へのアクセス機能強化などを目的に計画したもの。1997年3月に土浦市中貫から石岡市東大橋までの延長15.7kmを都市計画決定した。98年には、かすみがうら市市川から石岡市東大橋までの延長5.8kmを事業化し、同年にこの区間を地域高規格道路「百里飛行場連絡道路」の整備区間に指定。04年度から着工となり、早期に整備効果を発現させるため、暫定2車線で整備を進めている。昨年には改良工事や恋瀬川橋下部工、石岡地区や東田中地区などで橋梁下部工を実施している。

 国道6号ではこのほか、大和田拡幅で調査設計や用地買収、改良工事などを予定する。第1四半期には石名坂町地区外改良工事を発注していく。このほか、昨年度から事業化した酒門町交差点立体では引き続き調査設計を進め、日立バイパス(II期)では調査設計や用地買収、環境整備などに取り組む。

 また、交通安全対策では小鶴西交差点周辺の改良工事などを進める。小鶴西交差点については、接続する県道大洗友部線の影響により茨城中央工業団地方面への右左折車両が多いことを受けて、交差点周辺の延長約900mで付加車線の設置や右折レーンの延伸を進めている。本年度は調査設計や改良工事を行い、本年度中の完成を目指す。

 国道50号では、下館バイパスで調査設計や改良工事、橋梁工事を進める。また、協和バイパスで調査設計や用地買収、桜川筑西IC関連(延伸)では調査設計や用地買収、改良工事などを計画する。このうち、筑西桜川IC関連(延伸)では、桜川市の長方から中泉までの延長1.2kmの現道拡幅工事を実施していく。用地取得が順調に進めば、25年春ごろにも供用を開始する見通しとなっている。

 国道50号については、水戸市の泉町1丁目北地区第一種市街地再開発で進めている新市民会館整備に関連して、京成百貨店と新市民会館の2階部分を上空通路で繋ぐ、泉町歩道橋整備も計画する。本年度は橋梁の製作架設工事を計画する。公募型指名競争入札方式(総合評価落札方式)により6月8日に開札する予定だ。

 国道51号では、潮来バイパスや神宮橋架替などを推進する。神宮橋は潮来市洲崎と鹿嶋市大船津を結ぶ橋梁。橋長は約950mで、1961年に完成となる。この橋で老朽化が進んでいることを受けて架替を行う。その際には、02年度に2車線で開通した鹿島バイパス新神宮橋の4車線化とあわせて全体延長1.8kmの整備を行う。新橋は延長1075mとし、新神宮橋の上流側に設置する。18年度から橋梁下部工事などに着手し、本年度も引き続き下部工事を行う。

 このほか、国道6号小美玉道路(仮称)は、事業化に向けたルートや構造などの検討調査(計画段階評価を進めるための調査)を進める。県内の国道6号における未整備区間については、交通の円滑化を図るため、関係自治体と確認した当面の進め方を踏まえ、都市計画手続きや概略ルート・構造の検討に向けた調査を行う。

 また、そのほかの未整備区間についても、渋滞や交通安全など、鹿島港周辺をはじめ、地域における道路交通に関する課題、サービスレベルを把握するためのデータ収集・分析などを実施していく。その結果を踏まえ、路線の必要性や緊急性、妥当性に関する基礎的な調査を行う予定となっている。

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