広域ごみ処理施設 23年度の着工めざす (君津地域)

[2022/5/7 千葉版]
 県環境影響評価条例に基づき、第2期君津地域広域廃棄物処理事業に関する環境影響評価準備書の縦覧が始まった。上総安房クリーンシステム(富津市)が、BOO方式で富津市新富地区に日量486t規模のごみ処理施設を新設する計画。2023年度の着工、27年度の供用開始を目指す。

 この事業は、木更津、君津、富津、袖ケ浦、鴨川、南房総、鋸南の6市1町が共同で進めている。事業主体は、日鉄エンジニアリング(東京都品川区)、鹿島建設(東京都港区)、広築(兵庫県姫路市)、市川環境エンジニアリング(市川市)と7自治体が出資し設立した特別目的会社「株式会社上総安房クリーンシステム」。

 実施区域は富津市北部の臨海部に位置する富津市新富地区の4万0509平方mで、用途地域は工業専用地域。処理対象物は、可燃ごみや粗大3品目、不燃残渣、し渣・脱水汚泥、産業廃棄物などとなっている。

 廃棄物処理施設の規模は、処理能力が1日当たり486t(162t×3炉)とする。処理方式はシャフト炉式ガス化溶融方式を採用する。

 ごみの熱量を極力有効利用するため、多段抽気復水タービンを採用し、積極的に廃棄物発電を実施。発電した電気は、場内で利用し、余剰が発生する場合は電力会社へ売却して有効利用を図っていく。

 建築物として、工場棟(煙突を含む)、管理棟、スラグストックヤード棟、計量棟を設置するとともに、管理道路や駐車場、緑地を整備する計画だ。面積は工場棟・管理棟6386平方m、ストックヤード棟1535平方m、計量棟172平方m、駐車場・管理道路1万2751平方m、緑地7338平方mとする。

 事業方式はBOO方式を採用する。PFI法に基づき、PFI事業者が7自治体と事業契約を締結し、自らの提案をもとに、設計・建設、事業期間が終了するまで施設を所有・運営する方式。820億6000万円で契約を締結している。

 工事工程をみると、23年度から準備・整地工事を進めていくとともに、建築工事に着手する。24年度からプラント工事を進め、26年度に外構・植栽工事を実施し、試運転を経て、27年度の供用開始を目指している。

 説明会を12日と14日に富津公民館(富津市)、13日に周西公民館(君津市)で開く。準備書は31日まで県環境生活部環境政策課や富津市市民部環境保全課、富津市天羽行政センター、君津市経済環境部環境保全課で縦覧できる。

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