[2022/4/27　栃木版]

　県道路公社は、2022年度予算と事業計画を公表した。改築計画は日光宇都宮道路(日光道)のリニューアル事業に11億4000万円を配分し、今市橋などこのほど発注した橋梁に加え、八坂橋と天神前橋の補修工事も実施する。設備修繕は、日光口PAの受水槽・浄化槽設備を更新するほか、伝送設備の全区間更新完了を目指す。日光道以外では、鬼怒川道路の無料化に伴い、料金所や管理事務所などの解体工事などを実施する。

　本年度の予算は86億0415万円で、前年度の73億3971万円から12億6444万円、率にして17.2％増加している。増加の主な要因は、借入金元金の償還など。債務負担行為は、日光宇都宮道路などの維持改良事業のため、23年度から27年度まで限度額18億8594万円を設定。日光宇都宮道路などの業務委託事業でも、23年度から27年度まで限度額1200万円を設定した。

　事業計画を見ると、改築計画では日光宇都宮道路の認可事業費に4億7526万円、維持改良費に6億6473万円を予算化して、日光道リニューアル事業の23年度事業完了を目指し整備を推進する。

　認可事業のうち、道路改築事業費には2億8197万円を計上し、本年度は今市橋や蛇沢橋、八坂橋の橋梁補修工事を実施する。また維持改良費(大規模)は、舟ヶ沢橋と今市橋の補修工事に1億7000万円を予算化。維持改良費(追加事業費)は、堀ノ内橋橋梁補修に2328万円を配分した。

　また維持改良費は、大規模修繕分として神主橋、日光IC橋、蛇沢橋、天神前橋、堀ノ内橋、八坂橋の修繕工事費に3億3473万円を計上。設備更新は、受水槽・浄化槽の更新工事や伝送設備更新工事、気象観測設備更新工事に3億3300万円を盛り込んだ。

　橋梁修繕のうち、未発注なのは八坂橋と天神前橋の2橋で、このほかの橋梁は既に工事に着手している。八坂橋は橋長37.4mの鋼単純非合成鈑桁で、補修工事は伸縮装置取替工、舗装工、高欄補修工、塗装工を実施する。第3四半期にも発注して、約18カ月の工期を予定。詳細設計はニュージェック(栃木事務所・宇都宮市)が担当した。

　また天神前橋は、橋長31mの鋼単純非合成鈑桁で、水平分担構造設置工、断面修復工、剥落防止工などを予定する。八坂橋と同じく第3四半期に一般競争入札で発注して、工期には約12カ月を見込む。

　なお、今市橋は今市IC本線内に架かる上下線63.8mのRC4径間連続中空床版で、橋梁補強工(水平力分担構造)や支承防錆工、剥落防止工、および断面修復工などを施工している。蛇沢橋は日光IC先で蛇ケ沢を渡る橋長19mのRC単純中空床版で、橋梁補強工(水平力分担構造)や伸縮継手工、断面修復工を日光IC橋の橋梁補修工事とともに発注済み。堀ノ内橋は上下線26mのPC単純合成桁で、橋梁補修工(断面修復工)、橋梁補修工(表面被覆工)、橋梁補強工(水平力分担構造)、橋面舗装工、伸縮装置取替工の内容となっている。

　設備更新では、日光口PAの受水槽・浄化槽設備を更新する。受水槽は上り側駐車場、浄化槽は下り側駐車場に、既存の設備と同規模で設置する計画。第2四半期に一般競争入札で発注して、2カ年(約20カ月)の工期で施工する。

　伝送設備の更新は、速度規制などの道路情報を伝送する設備で、大沢～宇都宮間11.7kmの工事を引き続き実施するほか、本年度は新たに日光ICから清滝IC間6.5kmの更新にも着手する。こちらも第2四半期に一般競争入札で発注して、工期は約10カ月を予定。これにより、全区間の更新工事の発注が完了する見通しだ。

　気象観測設備は、4カ所あるうち日光と清滝の2カ所を更新する。気温と走行道路の路温、風向・風量、雨量などを観測するもので、機能を安定的に維持するため更新する。こちらは指名競争入札で、第2四半期の発注を予定している。

　このほか、区画線の工事やトンネルの修繕工事なども計画しており、実施箇所や工事の内容などが決まり次第、発注見通しに追加する。

　鬼怒川道路では、補修費に6585万円を計上し、料金所や管理事務所などの解体工事および跡地の舗装工事などを実施する。10月からの無料化に伴うもので、工事は第2四半期に指名競争入札で発注して、約5カ月の工期を予定する。

　管理計画は、有料道路の鬼怒川有料道路(国道121号)、宇都宮鹿沼道路(国道121号)、日光宇都宮道路(国道119号および120号)の3路線で収入予定額19億0860万円を見込む。

　高架下施設は、鬼怒通り高架橋下駐車場、鶴田陸橋下駐車場、駒生陸橋下駐車場、宇都宮北道路陸橋下駐車場、雨情陸橋下駐車場、下川俣陸橋下駐車場、栃木街道跨線橋下駐車場の7カ所を管理し、3752万円の収入を予定。

　附帯事業施設管理は日光宇都宮道路の日光PAで551万円、受託事業は宇都宮北道路交通管理で1747万円、日足トンネルなど長大トンネルの保守管理に1億2451万円の収入を見込む。