下水道管路を包括民間委託 11月に公告へ(千葉市)
[2022/4/26 千葉版]
千葉市は25日、下水道の管路施設について、包括的に民間委託する導入方針を公表した。初弾として、美浜区印旛処理区の稲毛海浜・真砂処理分区734haで、管渠調査や清掃、修繕などの業務を一括して委託する。11月に事業者を総合評価落札方式で選定する一般競争入札を公告し、年度内の契約、2023年4月の事業開始を目指す。
包括的民間委託では、管路の管理に関する複数業務をパッケージ化し、複数年で契約する。業務量の平準化や、民間事業者の創意工夫による業務の効率化が期待されている。
初弾の区域は印旛処理区の稲毛海浜・真砂処理分区734haで、美浜区の磯辺、高洲、高浜、真砂が対象となる。期間は3年間。対象施設は本管・取付管・公共桝・人孔などの公共下水道施設(延長212km)、一般排水路の草野水路(同1.8km)とする。
業務は▽住民対応業務(要望受付・清掃・修繕)▽計画的業務(管渠内調査)▽災害対応業務(被害状況の把握)──など。事業者は一般競争入札の総合評価落札方式で選定する。政府調達協定(WTO)案件の対象とならない。参加資格要件は単体企業か共同企業体とし、市内業者が1者以上であることなどを求めている。
同市では、管路の不具合に対する、市民からの要望が増加傾向となっている。市が管理する約3700kmの管路のうち、標準耐用年数50年を経過した管路は、20年度末の270km(全体延長の約7%)から、30年度末には690km(同18%)まで増加する見込みだ。
人口減少などによる使用料収入の減収も想定され、現状の管理体制では、老朽化対応を含めた維持管理を適切に実施することは困難になることが予想されている。
市下水道経営課は、市民サービスレベルを維持しつつ、今後増加が見込まれる維持管理業務に対し、民間の技術力や創意工夫により、業務の効率化を図るため、包括的民間委託の導入を検討。21年11月24日~12月10日に民間事業者に参入意向調査を実施し、調査結果をとりまとめた。その結果を踏まえ、導入方針を決定している。