県に住宅対策を要望 国は大規模盛土対策支援など7項目(県市長会)
[2022/4/23 栃木版]
県市長会(会長・佐藤栄一宇都宮市長)は21日、宇都宮市内の県自治会館で2022年度第1回会議を開いた。今回の会議では、県に対して住宅耐震化や空き家対策への支援、街頭防犯カメラ設置支援、県土砂条例の改正などの13項目と、国に対して大規模盛土造成地対策への支援やつくば・八溝・白川道路の早期事業化などを盛り込んだ11項目の、22年度春季における要望事項などを承認した。=2面に建設関連要望
県への建設関連の要望では▽住宅の耐震化に係る部分改修▽空き家対策に関わる財政支援について▽公営住宅における民間賃貸住宅活用の推進について▽街頭防犯カメラ設置に係る財政支援について▽生活交通路線への補助金の交付要件の緩和について▽土砂等による埋立てに関する規制の強化について▽砂防事業(崖崩れ災害防止対策等)における採択要件の緩和-などの項目が挙がった。これら要望については、後日、知事や関係部署などに要望活動を行うとしている。
「住宅の耐震化に係る部分改修」では、県が建築物耐震改修促進計画において、住宅の部分改修や耐震シェルターなどの減災化の普及促進を図るとしているが、補助制度が支援措置の対象外となっているため、支援制度への補助を求めた。
「空き家対策に関わる財政支援について」では、空き家対策のさらなる推進へ、空き家対策総合支援事業の地方公共団体負担分への県費による一部負担を要望した。
「公営住宅における民間賃貸住宅活用の推進について」では、公営住宅の廃止等が進む中、民間賃貸住宅の活用による住宅セーフティネット機能の拡大について、早期に県を挙げて推進し、各市の取り組みを支援することを求めている。
「街頭防犯カメラ設置に係る財政支援について」では、国体の安全対策で街頭防犯カメラの設置促進で県が支援を行ったものの、街頭防犯カメラが市民を守るために十分に配備されているとは言い難い現状にあることから、各市で必要かつ十分なカメラの配備を実現させるため、国体終了補も継続的な財政支援を要望した。
「生活交通路線への補助金の交付要件の緩和について」では、県の生活交通再構築事業費補助金において、利用環境整備に係る事業は単独事業でも対象とするよう、事業の拡充を求めた。
「土砂等による埋立てに関する規制の強化について」では、土砂災害等の未然防止と被害を最小限に止めるため、県外からの土砂等の搬入禁止や搬入禁止区域の指定、不適正な改良土による埋め立て規制など、罰則の強化を含めた県土砂条例の改正、関係機関と連携した監視体制の強化など、さらなる取り組みを要望している。
「砂防事業(崖崩れ災害防止対策等)における採択要件の緩和について」では、県の砂防事業の採択要件について、土砂災害特別警戒区域内を土砂災害計画区域内にも拡大し、人家戸数要件も引き下げるなど、採択要件を緩和することを求めた。
国に対しては▽社会資本整備交付金制度について(大規模盛土造成地の滑動崩落防止対策事業に対する補助制度)▽ハザードマップ等のデジタル化について▽道路・街路の整備促進について(広域道路(仮称)つくば・八溝・白川道路の早期事業化に向けた支援)-など、11項目で新規の要望をまとめた。これら要望は、後日行われる全国市長会関東支部総会において、提出する議案に盛り込まれるとしている。
「社会資本整備交付金制度について(大規模盛土造成地の滑動崩落防止対策事業に対する補助制度)」では、大規模盛土造成地の変動予測調査や対策工事で国が補助を行っているが、調査結果によっては多額の費用も想定されることから、補助対象事業費の条件引き上げを要望している。
「ハザードマップ等のデジタル化について」では、効率的・効果的な災害対応を促進するため、平時・非常時における国の防災情報サイトの充実・機能拡充を提案した。
「道路・街路の整備促進について(広域道路(仮称)つくば・八溝・白川道路の早期事業化に向けた支援)」では、県東部地域は高規格道路の空白地域であり、東日本台風の際に国道294号が寸断されて復旧活動に多大な影響を与えたことから、重要物流道路など人流・物流基盤の整備が急務となっており、つくば・八溝・白川道路の早期事業化への支援を求めた。