釜谷で無堤部対策 事業概要 霞ヶ浦浚渫関連を推進(霞ヶ浦河川)

[2022/4/21 茨城版]
 国土交通省霞ヶ浦河川事務所(小櫃基住所長)は、22年度の事業概要をまとめた。本年度の事業費は33億3300万円で、前年度当初(32億9000万円)から1.3%の増額となった。主な事業では、河川改修事業として潮来市釜谷地区の無堤部対策や稲敷市の西の洲・甘田入地区の霞ヶ浦浚渫関連工事などを計画している。

 同事務所では、「霞ヶ浦沿岸地域の安全・安心」と「清らかで豊かな湖沼環境」に向けて各種事業を進めている。このうち、「霞ヶ浦沿岸地域の安全・安心」では、堤防未整備区間での堤防整備による浸水被害の防止のほか、堤防除草や河川管理施設の点検整備などを行い、霞ヶ浦の適正な管理を実施していく。「清らかで豊かな湖沼環境に向けて」では、霞ヶ浦浚渫による浚渫土埋立地の返還に向けた整備や、北浦の水質浄化対策に係る調査検討、湖岸植生を保全・再生する自然再生地のモニタリング調査、湖岸堤防の側帯整備によるリバースポットとしての地域活性化などを計画している。

 これらの事業に対する本年度予算は、河川改修費に3億8600万円(前年度比35.5%マイナス)、総合水系環境整備事業に12億0500万円(同5%プラス)、河川維持修繕費に9億1400万円(同1.6%マイナス)、受託工事費に7億4100万円(同23.5%プラス)などを予算化した。

 このうち、河川改修事業では、無堤部対策として潮来市釜谷地区で堤防整備を実施する。釜谷地区の無堤部対策は、北浦では唯一の堤防未整備区間となっている右岸の同地区を対象に堤防整備を実施し、治水安全度の向上を図るもの。洪水時には水位上昇による浸水被害が発生するおそれがあるほか、強風時には大きな波が発生し、堤防や周辺民家に大きな被害が発生するおそれがあるため、堤防整備により治水安全度の向上を図る。

 総合水系環境整備事業では、霞ヶ浦浚渫関連工事や水辺整備事業を計画。このうち、霞ヶ浦浚渫関連工事は稲敷市西の洲・甘田入地区で浚渫土埋立の返還に向けた整備等を実施する。霞ヶ浦浚渫事業では、1992年から進めていた大規模浚渫工事が12年度までに完了。その後は、この工事で除去された浚渫土を干拓地用の嵩上げとして再利用する工事を進め、16年度にはこれまで実施していた小高地区の浚渫土埋立地返還が完了した。本年度の埋立地整備では、基盤整正工事や排水路整備工事などを第1四半期に発注する計画だ。また、北浦では、水質改善に向けて流域と連携した効果的な水質改善対策の検討を行うほか、霞ヶ浦全体では流入河川汚濁調査及び既設施設のモニタリング等を実施する。

 水辺整備事業では、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」と連携したかわまちづくりとして、湖岸堤防に側帯を整備し、リバースポットとして利活用を図る。この地区のかわまちづくり計画は21年3月に登録。湖岸堤防に側帯を整備し、平常時は利用者の休憩施設・トイレなどのリバースポットとしての利用、災害時は側帯の土砂を水防活動に利用することで、地域の防災力向上と観光客の増加などを図るとしている。国交省では側帯整備を行うほか、つくば霞ヶ浦りんりんロード利活用推進協議会では誘導サインやサイクルスタンド、休憩施設・トイレ・案内看板などの整備を進めていく計画だ。

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