「チバニアン」 土木実施設計に着手(千葉県市原市)

[2022/4/21 千葉版]
 千葉県市原市は、国指定天然記念物・地磁気逆転地層(チバニアン)の整備事業について、土木関連の実施設計に着手する。20日に同業務の委託先を選定する一般競争入札の手続きを開始した。園路や橋梁、護岸、大型バス乗降場などが対象で、事業管理にはコンストラクション・マネジメント(CM)方式を導入する。2023年度の着工を目指している。

 同市では、地磁気逆転地層の保存と活用に有効な周辺整備を進めていくため、21年度にオリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区)がとりまとめた基本設計を踏まえ、安全性や機能性、市場性、施工性、デザイン性を検証。必要に応じた再検討も含め、詳細な検討を進めていく。

 対象となるのは、県道市原天津小湊線から駐車場までの進入路、駐車場から階段状見学施設までの園路、露頭見学エリア、景観エリア、休憩スペース、川廻し地形、レクチャースペース、ガイダンス施設スペース、見学者用駐車場などの園内施設。

 橋梁は、階段状見学施設と不動滝に架設する2カ所を想定。露頭で百尾火山灰層を間近観察できる見学施設の護岸や大型バス乗降場、道路などの照明施設も対象となる。

 実施設計では、工事発注に必要な図面や報告書を作成するほか、コスト・メンテナンス性や全体施工計画の検討、工事費の算出などを担当する。履行期限は2023年1月31日まで。

 一般競争入札の参加資格要件は、22・23年度市入札参加資格者名簿(測量・コンサルタント部門)で、土木関係建設コンサルタント(道路)と土木関係建設コンサルタント(都市計画・地方計画)の両方に登録があることなどを求めている。

 27日まで入札参加申請、5月10日~12日に入札書をそれぞれ受け付け、同13日に開札する。

 本年度予算では、地磁気逆転地層整備事業に1億3933万円を計上。基本計画に基づき、土木の詳細設計や建築・展示の基本設計に着手するほか、ゴールデンスパイクの設置工事を進めていく。土木・建築・展示の複数工事を統括的に管理するCM方式により、進行管理を実施する。

 基本計画策定支援業務はオリエンタルコンサルタンツ、事業管理支援業務は明豊ファシリティワークス(東京都千代田区)がそれぞれ担当。

 20年1月17日に田淵地区地磁気逆転地層が国内初の国際境界模式地(GSSP)として認定され、地質年代「チバニアン」が誕生。将来にわたって適切に保存・活用するため、必要な施設整備を積極的に進めている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.