千葉県内で鋼材価格2割上昇 県が公共工事へ影響懸念
[2022/4/15 千葉版]
建設資材価格の高騰で、公共工事への影響が出始めている。千葉県内では、鋼材などの価格が2021年度の1年間で2割上昇していることが分かった。県土整備部では、スライド条項の適用や迅速な単価の改定などの対応をとっているものの、さらに上昇した場合、工事発注にも影響が出てきそうだ。
県は、公共工事における資材価格の急激な変動に伴う請負代金額について、スライド条項を設定。受注後に賃金や物価が変動した場合、受注者は請負額の変更を請求できるようになっている。
資材価格については、4月と10月に全面的に見直しを実施しているほか、毎月調査し、一定水準の変動が確認された場合、迅速に価格の改定を行っている。
県内では21年度、建設資材の価格が全体的に上昇傾向となっている。特に鋼材(主な8品目の平均)や、ガソリン・軽油など燃料が21%上昇している状況だ。国土交通省によると、鋼材価格の上昇は、石炭など原材料の価格が高騰していることが要因として考えられるという。
21年度にスライド条項を適用して増額変更した工事は3件。また、橋梁で使用する高力ボルトや、ダム関連設備の半導体、港湾関係で使う捨石などの納入が遅れ、予定も含め16件で、工期延長などが発生している。
県技術管理課は、資材価格の高騰により、発注できなくなった工事は発生していないものの、価格上昇や資材不足がこのまま続けば、予定していた規模の工事の発注や、工期の延長など、公共工事への影響を懸念している。