工事費に7.9億円 交流拠点の基本計画を策定(常陸大宮市)
[2022/4/14 茨城版]
常陸大宮市はこのほど、常陸大宮駅西交流拠点の整備に向けた基本計画を策定した。計画では、「あたらしい公園」として、▽にぎわいの創出▽インクルーシブ・パークの導入▽防災機能の充実──の3つの整備コンセプトを提示。概算工事費は7億8780万円に設定した。本年度は、補正予算で設計費を計上した上で、25年度の供用開始に向けて事業を進めていく。
駅西交流拠点の計画地は、先行的に取得した面積約1.4haの酒造会社跡地のうち、駅前広場や周辺道路整備に利用される約0.65haを除いた約0.75haを活用する。駅西交流拠点化構想には、若い世代・子育て世代が住み続けたいと思うような生活環境を整備し、子育て環境の整った街並みなどの景観と調和した「公園」が相応しいとして市の考えを定め、3つの整備コンセプトによる公園の整備を想定している。
今回まとめた基本計画では、市民の憩いの場や様々な交流や活動の拠点となる場、子どもたちが安心して遊べる場、防災機能を備えた災害時の一時避難場所としてあたらしい公園を整備するため、▽駅前立地を活かした新たな魅力づくり▽子育て支援に目を向けた交流拠点▽市民が安心して暮らせる安全な地域づくり──の3つの基本方針を定め、この基本方針に基づき3つの整備コンセプトを示した。
このうち、「にぎわいの創出」では、レクリエーション機能(市民の憩いの場、活動の場)や景観形成機能(地域の特徴・特色、潤いの形成)、都市環境保全機能(良好な都市環境の維持)などを盛り込んだ。また、「インクルーシブ・パークの導入」ではバリアフリー・ユニバーサルデザイン機能としてインクルーシブの概念を導入し、「防災機能の充実」では防災機能として地域の安全性、災害時対応などを図るとした。
施設計画によると、敷地内には芝生広場(約4300平方m)を中心に、キッチンカーなどの出店にも対応できるイベント広場(約320平方m)、インクルーシブ遊具やテント大屋根などを設置する遊具広場(約1200平方m)、カフェや多目的室などを設置する交流施設(約200平方m)、トイレ棟(約40平方m)などを整備していく。
このうち、交流施設は駅舎や駅前広場と調和した景観とした上で、内部はカフェ機能を備えた多目的に活用できる空間とする。また、多目的室や学習室などを設けることで、各種イベントや講座などに対応した地域交流の場としての活用を見込む。この交流施設の整備に当たっては、管理運営に民間事業者の活用も想定しており、実施設計にも事業者の意見を反映させることを検討している。
概算工事費には7億8780万円(税抜)を試算する。内訳は、建築物に3億9980万円(交流施設8420万円、トイレ棟3300万円、遊具広場大屋根2億3940万円、ガラス回廊4320万円)、遊具に6200万円、外構工事に3億2600万円となっている。
今後は、9月議会で設計費を予算化する。その際には、2カ年の継続費で組む予定。発注方法はプロポーザル方式を想定し、年内に契約を締結する運び。設計は23年度中にまとめて24年度に着工し、25年度中の事業完了を目指す。