CCUS活用試行 工事成績評定で加点(千葉市)

[2022/4/7 千葉版]
 千葉市は、建設キャリアアップシステム(CCUS)を積極的に活用するため、工事試行要領を策定した。対象工事や実施内容などが示されており、CCUS活用工事は受注者の希望により設定する。基準を達した場合、工事成績評定で加点対象となる。

 CCUSは、現場に従事する技能者の入場管理や処遇改善などに活用するため、就業履歴や技能レベルを、業界横断的に登録・蓄積するためのデータベースシステム。建設業振興基金が運営している。

 対象となるのは、市土木工事標準積算基準を適用する工事。発注者は、要領が適用されることを特記仕様書に明示する。CCUS活用工事の設定は、受注者の希望によるものとする。カードリーダーなどの購入費用や現場利用料は、予算執行状況を踏まえ、受発注者間の協議により、設計変更できる。

 受注者はCCUS活用工事として[1]事業者登録[2]現場・契約情報登録[3]技能者登録[4]就業履歴情報登録──の4項目を実施する。基準を達成した場合、工事成績評定の創意工夫で、最大2点の加点が付与される。

 公共工事の品質を確保するためには、優れた技能と経験をもつ技能者を将来にわたって確保・育成することが不可欠となっている。そのため、技能者の処遇改善や中長期的な技能者確保・育成を目指し、「千葉市建設キャリアアップシステム活用に関する工事試行要領」をとりまとめた。

試行要領を改定
建設現場の遠隔臨場

 千葉市は、建設現場の遠隔臨場に関する試行要領を一部改定した。同市では、21年度にウェアラブルカメラを用いて現場状況を監督員がリモートで確認する「遠隔臨場」を試行導入。土木関連工事で、発注者指定型のモデル工事を発注しており、その効果や課題を検証し、さらなる導入を進めていく。

 主な改定点をみると、受注者からの希望があり、受発注者間で協議して対応可能な場合、発注者指定型として試行する。

 確認実施者が監督職員の場合、画面キャプチャの記録を求めない。ただし、現場技術員の場合は画面キャプチャなど記録を保管する必要がある。

 試行に要する費用は、受注者から見積もりを徴収し、全額を技術管理費に積み上げ、設計変更する。使用する機器をレンタルしない場合の費用の算出方法も明記している。

 同市ではこのほか、土木工事書類スリム化ガイドを作成した。受発注者が共通認識を持ち、工事書類の簡素化を進め、書類の電子化、遠隔臨場やWEB会議などを活用することで、施工の円滑化や働き方改革の実現を図っていく考えだ。

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