建設工事594件　上半期に9割発注(22年度発注予定　宮城県)

[2022/4/5　宮城版]

　宮城県は4月1日、2022年度の公共工事発注予定を発表した。発注額が250万円以上となる案件は、4月1日時点で建設工事が594件、建設関連業務が486件を発注する考え。視覚支援学校と視覚障害者情報センター(ともに仙台市青葉区)の建て替え事業では、4月中に解体工事を発注し、その後、6月中に同センターの改築工事を先に発注する。

　建設工事の発注見込み件数は、前年同期より7.5％(48件)減少した。発注する594件のうち、本庁の所管分は42.6％に当たる253件。出先機関の所管分は57.4％に当たる341件。農政部は本庁の所管工事が「農業用ため池監視体制整備工事」の1件のみ。水産林政部は今のところ本庁の所管工事が予定されていない。

　主な部局の所管件数を見ると、土木部は312件(本庁100件＋出先212件)を所管し、全体の52.5％を占めている。農政部は69件(本庁1件＋出先68件)を所管。水産林政部は出先機関の25件を所管している。

　また、企業局は上下水道工事など35件(本庁3件＋出先32件)を所管。教育庁は学校施設の工事など56件(本庁53件＋出先3件)を所管。警察本部は交番や信号機の工事など49件(本庁のみ)を所管している。

　四半期別の発注件数と前年同期比は▽第1四半期312件(49件減)▽第2四半期214件(1件減)▽第3四半期56件(6件増)▽第4四半期12件(4件減)──となっている。第1、第2四半期で22年度分の9割近くを発注する計画だ。

　唯一のWTO対象案件は「川内沢ダム本体工事」。4月5日に一般競争入札を公告する。堤体高39.7m(堤頂長145m)の重力式コンクリートダムを建設する。

2施設解体と障害者センター改築工

視覚支援校建て替えで

　視覚支援学校と視覚障害者情報センターの建て替え事業では、まず土木部が4月中に「視覚支援学校校舎等および視覚障害者情報センター解体工事」の一般競争入札を公告する。

　宮城県は同じ敷地内に建っている両施設を解体し、複合施設を建設する考え。支援学校では3月中に仮設校舎を建設したことから、続いて敷地の南側にある既存校舎(RC造3階建て延べ4478平方ｍ)と障害者センター(RC造3階建て延べ1027平方ｍ)を解体する。概算工事費は4億円を見込む。

　建て替え事業では新設する施設のうち、22年度は視覚障害者情報センターの改築工事を先に発注する。土木部は6月に「視覚障害者情報センター改築工事」を発注する予定。RC造2階建て延べ1000平方ｍの建物を建設する。概算工事費は4億円。付帯する電気工事、機械工事、昇降機工事も6月から7月にかけて別発注する。

　視覚支援学校の工事では、秋ごろに体育館の改築工事と付帯する電気工事、機械工事の発注が見込まれている。一方、支援学校本体の工事は23年度に発注する方針。

　岩沼警察署(岩沼市)の建て替え事業では、本年度にS造(プレハブ)の仮設庁舎を建設する。5月に「岩沼警察署建設工事」を発注する。概算工事費は2億円。付帯する電気工事も5月に発注する。

　警察署の整備では、仮称・栗原警察署(栗原市)の新築に向けて8月に「仮称・栗原警察署建設工事」を発注するほか、同じく8月に「仮称・栗原警察署待機宿舎建設工事」も発注する。

　2020年7月に閉館した宴会施設「パレス宮城野」(仙台市青葉区)の大規模改修について、総務部は6月に「旧パレス宮城野改修工事」を発注する。付帯する電気工事、機械工事、昇降機工事も発注する。外壁や内装を改修し、県庁の分庁舎などとして再利用する考え。本体の改修工事は概算工事費を4億円と見ている。

　牡鹿半島の中心部を横断する道路の新設に向けて、土木部は8月に「大谷川浜小積浜道路改良工事その2」を発注する。延長800mを対象に、切・盛土を施工する。概算工事費は5億円。また、東部土木事務所も8月に「大谷川浜小積浜道路改良工事その1」を発注し、延長300m分を施工する。概算工事費は2億円。

　農地の大区画化では、北部地方振興事務所栗原地域事務所が6月に「津久毛地区1-2工区区画整理工事」を発注する。栗原市金成小迫の33.9haを対象にほ場を区画整理する。概算工事費は5億円を見込む。

　防波堤の一部が倒壊した塩釜漁港の東防波堤について、仙台地方振興事務所は5月に「塩釜漁港東防波堤改築(その5)工事」を発注する。カーテンウォール式の防波堤230mを対象に、梁の補強や電気防食などを行う。概算工事費は5億円を見込む。