市営住宅に20億円 当初予算 観光拠点整備で基本設計(神栖市)
[2022/4/1 茨城版]
神栖市(石田進市長)の当初予算のうち、一般会計は対前年度比0.9%減の455億円となった。主な事業には市営住宅の建て替えに3カ年で総額20億円の事業費を設定するほか、息栖神社周辺整備事業での観光拠点基本設計委託料や、神之池緑地整備事業での市民体育館解体設計委託料などを盛り込んだ。
このうち、普通建設事業費は同1.7%減の57億3431万円。特別会計は3会計合計で同1.6%増の157億5871万円となった。また、水道事業会計と下水道事業会計の合計は、同0.6%増の81億6735万円となっている。
主な事業をみると、市営住宅整備事業では22-24年度の3カ年の総事業費を20億0493万円に設定した。内訳は外構を含む建築工事が16億3009万円、解体工事が3億5086万円、施工監理が2398万円となる。22年度に既存施設の解体を行い、23年度から建築工事に着手する予定だ。
この事業は波崎地区にある市営住宅の老朽化を受けて、建て替えを行う。対象は東町住宅と上新道住宅、別所住宅、松崎住宅の4住宅となり、これらを解体し、50戸程度に集約する。建設場所は東町住宅のD街区の敷地6052平方m。施設の構造・規模はRC造3階建て、延べ3203平方m程度となる。基本・実施設計は玉野総合コンサルタント東京支店(東京都荒川区)が担当している。
息栖神社周辺整備事業では、観光拠点施設基本設計委託料1355万円や周辺市道整備実施設計(市道8-398号線ほか1路線測量設計)委託料1200万円、雨水排水路改修設計委託料700万円などを盛り込んだ。
息栖神社周辺では、魅力向上と観光客が訪れる拠点として整備を進めている。整備の際には、同地区内にある空き家となった旅館「柏屋」を活用し、息栖神社の歴史や魅力を伝える観光拠点施設「(仮)柏屋」として整備していく。今回予算化した拠点施設や市道、排水路に加え、船だまり周辺の整備も計画。なお、基本計画は東京建設コンサルタント茨城事業所(水戸市)が担当している。
神之池緑地整備事業関連では、市民体育館解体設計委託料1570万円や神之池緑地緑化再生計画策定委託料2889万円、大型遊具の更新工事費7310万円、駐車場整備工事費3209万円などを盛り込んだ。
神之池緑地では、定住人口と交流人口の拡大に向けて、にぎわいづくりの拠点を整備する。具体的には、体験拠点として、ランニングステーションやサイクルステーションの整備や、艇庫の拡張を行う。公園施設では大型遊具やカフェ、休養施設の設置、駐車場の拡張などを整備していく。
にぎわい拠点の整備とあわせ、同緑地内に位置する市民体育館の解体を行う。今回の解体は老朽化が進んでいることを踏まえての実施となる。なお、体験拠点施設の設計については23年度以降になる予定。基本計画は八千代エンジニヤリング茨城営業所(水戸市)で策定した。
合葬墓整備事業では市営墓地整備工事費に2億1860万円と同工事設計監理委託料に2416万円を計上した。この事業はライフスタイルが多様化することを受けて、承継者不足などの課題を解決するために合葬墓を整備するもの。建設場所は海浜公園墓地とし、規模は延べ300平方m程度の施設に納骨堂1500基程度と合祀墓4500体程度とする。実施設計は綜企画設計(東京都中央区)が担当した。
雨水排水対策事業では、排水路維持管理費と市道整備費、市道補修整備費、農業用排水路等管理費で総額8億6941万円を予算化。この事業は浸水実績のある地区を中心に、計画的に雨水排水の改修工事を実施するもの。
このうち、排水路維持管理費では、排水路工事費3億1500万円や排水路補修工事費1億0500万円、排水路設計監理委託料1482万円、雨水対策基礎調査委託料877万円などを盛り込んだ。整備内容としては、清水地区の清水排水樋管雨水排水ポンプ設置や東深芝・波崎地区での雨水管渠補修、須田団地の雨水排水路整備、本郷地区の排水路圧送管設置、土合1号の雨水幹線整備、息栖原幹線の排水路改修を予定している。
農業用排水路等管理事業では、排水路改修工事費1億8900万円や測量設計委託料1840万円、用排水路測量調査委託料3250万円などを計上。排水路改修は別所地区と日川地区、西宝山地区で行う。このほか、雨水基本計画の見直しや3地区での設計などを実施していく。
都市計画道路整備では、工事費に2億8050万円、設計監理委託料に1210万円を配分。22年度には3・4・22号線で両側歩道への水道管の設置や排水施設の整備を行う。工事場所は掘割3丁目から深芝地内とし、延長430m、幅員16mで計画する。また、3・4・20号線では、平泉地内で延長80mの舗装工事を実施していく。