広場や利便施設配置 庁舎跡地活用検討委 基本計画案を提示(壬生町)

[2022/3/30 栃木版]

 壬生町は25日、町役場で第11回町本庁舎跡地等活用検討委員会(委員長・三橋信夫宇都宮大学名誉教授)を開催し、本庁舎跡地利活用基本計画案について協議した。同案によると、公共機能で多目的広場やオープンスペース、民間機能で生活利便施設などを整備するほか、ひばり館に交流など各種機能を盛り込む。整備手法は、公共機能が設計・施工一括発注方式、民間機能が定期借地権方式を想定するほか、公共機能と民間機能の包括的整備や維持管理なども含めた一体的事業も構想している。今後は、2022年度にパブリックコメントを経てから基本計画を策定し、事業手法を検討。23年度に事業者を選定して24年度に施設の設計・工事を行い、25年度に供用開始を目指す。

23年度にも事業者の選定へ

 町は、新庁舎移転建設後の町役場本庁舎跡地を活用した活性化策を検討。地域住民や観光客などが集うまちなか創生の拠点として活用し、既存施設と連携した取り組みを進め、中心市街地全体の活性化を図るとした。

 事業対象地は、約8400平方m。跡地の整備方針は▽拠点づくり(地域資源を活用)▽連続性の確保(蘭学通りとのつながりを意識した、利便性・まちなみ・景観の連続性の確保)▽空間(居場所)づくり(地域住民が立ち寄れる屋内外の空間づくり)▽生活利便性向上(地域住民の生活利便性を高める施設の導入)-とした。

 施設のゾーニングは、西側中央(面積約2800平方m、その他オープンスペース約1100平方m含む)を公共機能エリア、公共機能エリアを囲むように東西に広がるエリアを民間活力導入エリア(約5600平方m)に設定した。公共機能エリアでは、蘭学通りからの入口をゲートとし、ゲート近くに駐車場エリア、駐車場北に駐輪場、駐輪場北に公共施設(現ひばり館)、ひばり館北に多目的広場(約300平方m)、多目的広場北にその他オープンスペースを配置する。

 駐車・駐輪スペース(面積約200平方m)について、駐車は5台程度とし、駐輪は公共施設の利用に配慮した必要な台数を確保する。多目的広場は、イベント使用も想定して必要な電源や水道設備を確保するほか、一部を芝生、残りはインターロッキングとして整備することや、屋根の設置、子どもの遊び場としての遊具などの設置なども検討していく。

 その他オープンスペースは、多目的広場とともにイベント会場などとしても利用が可能。臨時駐車スペース、民間商業施設の駐車スペースとしての活用も図っていく。

 ひばり館は、1階にコミュニティカフェ(62.9平方m)やチャレンジショップ(43.3平方m)、2階に会議室(62.9平方m)や相談コーナー・受付・事務スペース(62.9平方m)の配置を構想。コミュニティカフェは、屋外区間との一体利用を図り、出入口や開口部等の改修も検討し、チャレンジショップも出入口や開口部などの改修を検討する。コミュニティカフェに地域や観光の情報を発信できる展示・ギャラリーを設置するなど、各種機能の導入も検討していく。

 民活導入エリアでは、南に民間施設(生活利便施設等)、民間施設の東西を民間の駐車場とする。民間施設は民間事業者の導入意向がある生活利便施設を中心としつつ、直売所などの物販施設なども含めた生活利便性を高める施設の誘導を構想。必要な敷地面積は3000~7000平方mを想定した。

 管理運営手法は、当面は町が直接管理運営を行う直営方式も視野に入れながら、住民参加や町と住民などの協働体制も考えられるとし、指定管理者制度の導入可能性を検討していく。

 整備手法について、公共機能エリアは従来方式のほか、施設の設計・施工一括発注方式を想定。民活導入エリアでは、町が土地を所有したまま民間事業者が民間施設の整備や収益事業を行う定期借地権方式を想定している。このほか、公共機能エリアと民活導入エリアを包括的に整備することや、包括的整備と指定管理者制度などによる公共施設の維持管理・運営業務も合わせた一体的事業も構想している。

 跡地利活用にあたっては、周辺地域の道路混雑や安全などに配慮し、歩行者や自動車の動線・出入口の確保といった敷地内外の歩行空間の安全確保を図る必要がある。具体的な対策については、関係部局や警察などと調整した上で検討する。

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