成田空港周辺9市町で航空物流拠点化など検討(千葉県)
[2022/3/30 千葉版]
千葉県は、成田空港の更なる機能強化を活かし、周辺の9市町で持続可能な地域づくりの検討に乗り出す。東アジアの航空物流拠点化や脱炭素地域づくりなどを検討するもので、29日に業務の受託候補者を選定するプロポーザルを公告した。委託料は3000万円を上限とし、4月28日まで企画提案書を受け付けている。
同業務では、成田空港の更なる機能強化を最大限活かした周辺地域の活性化を実現するため、空港会社が作成中の成田空港施設配置計画(空港マスタープラン)やカーボンニュートラル、コロナ後の社会・経済状況の変化、空港周辺自治体のまちづくり計画の進展に合わせ、持続可能な地域づくりを検討する。
対象範囲は、成田空港周辺に位置する成田、富里、香取、山武、栄、神崎、多古、芝山、横芝光の4市5町を基本とする。
成田空港の機能強化に伴い、航空物流はさらなる増加が予測される。そのため、都市環境に配慮しつつ、航空物流に強い成田空港の特性を生かし、東アジアの航空物流拠点化を目指すため、成田空港周辺地域の方策を検討する。
脱炭素地域づくりについては、再生可能エネルギーの地産地消や空港~地域間双方向の電力融通の可能性を検討。空港周辺市町が目指すべき脱炭素地域づくりのコンセプトや取り組むべき施策の方向性、想定される事業推進体制、事業手法、事業効果を整理する。それらを踏まえた事業を検討し、県に対する提言書としてとりまとめる。履行期限は2023年3月24日まで。
プロポの応募資格として、県の物品等入札参加資格(委託)があることなどを求めている。5月16日の企画提案審査委員会を経て、同17日に審査結果を通知する予定だ。
「成田空港のさらなる機能強化に向けた滑走路整備計画」では、C滑走路の新設やB滑走路の延伸などが計画されている。
C滑走路地区では、延長3500m、幅員45mの滑走路を新設するほか、延長6200m、幅員23mの誘導路を整備する。B滑走路地区では、B滑走路を北側に1000m延伸し、延長3500m、幅員60mの滑走路を整備する。
準備工事として、秋ごろにも東関東自動車道の切り回し工事に着手する方針。東関東自動車道地下道化工事や造成工事など本格工事を進め、2028年度の完成を目指す。
成田空港の更なる機能強化に向けた実施設計業務はパシフィックコンサルタンツ・京葉測量JVが担当している。