名洗港の港湾計画改訂 洋上風力メンテ拠点に(千葉県)
[2022/3/29 千葉版]
千葉県は、洋上風力発電事業のメンテナンス拠点となる名洗港(銚子市)について、港湾計画を改訂する。洋上風力発電設備(発電出力39万kW級)の建設補助や維持管理の拠点として、防波堤や埠頭用地などの整備を進めていく方針だ。県の22年度予算では名洗港整備事業に3億8000万円を計上している。
28日に開かれた県地方港湾審議会地方港湾部会(部会長・渡邉豊東京海洋大学大学院教授)で、名洗港の港湾計画書案が了承された。県は年度内の改訂を目指している。
公共埠頭については、既設のマイナス5.5m岸壁や背後の埠頭用地を有効活用するとともに、低未利用地となっている名洗港船だまりや名洗港防波堤の背後を新たに土地造成することで、必要な係留施設や埠頭用地を確保する。
外郭施設については、基準で求められる港内の静穏性を確保するため、既定計画の名洗防波堤(5)300mに加え、名洗防波堤(6)100mや港内防波堤300mを新規で位置付ける。
銚子マリーナについては、小型桟橋15基(このうち7基既設)のほか、交流厚生用地の用途を一部変更することから、面積を12.1haから7.8haとする。
審議会では、港内の浚渫土砂が約70万m3に上り、このうち土地造成に約13万m3を活用する方針が示された。
2020年7月に銚子市の沖合海域が再エネ海域利用法に基づく促進区域に指定された。国は21年12月に発電事業者として、三菱商事エナジーソリューションズ(東京都千代田区)、三菱商事(同)、シーテック(名古屋市瑞穂区)の3社で構成するコンソーシアム「千葉銚子オフショアウィンド」を選定。事業者からは名洗港を建設補助や維持管理の拠点として利用する意向が示されている。名洗港の港湾計画検討業務は三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)が担当。