Gタウン東に貯留施設 内水氾濫対策計画 3地区で移転策を検討(下野市)
[2022/3/26 栃木版]
下野市は、計画期間を2021~40年度とする内水氾濫対策計画を策定した。それによると▽石橋中学校周辺地区▽細谷地区▽箕輪地区▽グリーンタウン東調整池周辺地区▽谷地賀地区-を浸水多発地区(重点地区)に設定し、このうちグリーンタウン東調整池周辺地区では、雨水貯留施設などの設置やバイパス整備を重点的に実施するとしている。
市では、関東・東北豪雨や東日本台風で大規模な浸水被害が発生したことを受け、地域防災力の向上につなげるため、内水氾濫に対する具体的な取り組みを定める内水氾濫対策計画を策定した。浸水多発地区については、関東・東北豪雨や東日本台風で浸水被害が多発した地区を中心に設定している。
具体的な取り組みを見ると、雨水対策施設の整備については河川整備、雨水排水施設の整備促進、道路への透水性舗装や浸透桝などの設置を継続的に実施する。
異常出水時の浸水軽減では、浸水想定区域での浸水標識の整備を23年度まで検討し、24年度から実施する。細谷・箕輪・谷地賀地区では移転促進に関する検討を22年度まで行い、必要に応じて実施する。
グリーンタウン東調整池周辺地区では、冠水メカニズムの確認および改善策を22年度まで検討し、23年度から改善策を実施する。雨水幹線バイパスは22年度まで検討を進め、23年度から整備を行う。
建築物建築時における雨水流出抑制は、開発行為で雨水流出抑制施設の設置誘導や民間施設への普及PRを行うほか、市街化区域で開発行為によらない建築物の建築時でも設置誘導を図る。
雨水貯留施設や貯留浸透施設の設置促進は、既存大規模施設の改修に合わせた雨水貯留施設の設置協力や、雨水タンクの助成制度を行う。学校や公園などの公共施設新設・改修に合わせた雨水貯留・利用施設の設置は、22年度まで検討して23年度から実施し、既存公共施設の改修を伴わない範囲での雨水貯留対策も検討を進めていく。
緑地の保水等は、公共施設の新築・改修時における屋上緑化を22年度まで検討し、23年度から実施する。田んぼダムやスマート農業の効果分析や支援も行うとし、石橋地区と南河内地区をモデル地区に設定して、農地の状況を見ながら本年度から水量調整装置の設置を始める。
減災・水防対策については、家屋の止水板設置支援制度を22年度まで検討し、23年度から実施する。災害情報提供の充実は、道路・河川の防災カメラの増設を田川や姿川、グリーンタウン東調整池周辺地区で必要に応じて追加する。