[2022/3/26　千葉版]
　関東地方整備局は25日、2022年度予算の概要を発表した。千葉県内では、新規事業として、国道126号山武東総道路三期や旧江戸川橋梁(仮称)などが盛り込まれた。主要事業では、首都圏中央連絡自動車道(大栄～横芝)や千葉港千葉中央地区複合一貫輸送ターミナル整備事業などを推進する方針だ。

　関東地方整備局の配分事業費は前年度比3％増の1兆7604億円。その内訳は、直轄4528億円、補助4595億円、交付金8481億円。本県の補助事業は1065億9300万円を計上している。

　県内の主要事業をみると、新規事業として、銚子連絡道路の一部を構成する国道126号山武東総道路三期で5000万円を予算化。匝瑳市～旭市間の延長13kmを対象に地域高規格道路を整備する計画で、調査・設計に着手する。

　王子金町市川線・旧江戸川橋梁(仮称)では、本県に5000万円、東京都に200万円を配分。葛南地域の都県境では、限られた橋梁に交通が集中し、交通混雑が発生していることから、県は東京都と共同で、旧江戸川に橋梁を新設する計画だ。

　千葉港海岸直轄海岸保全施設整備事業に5億1000万円を投入する。船橋地区では、天端高や耐震性の不足、既設堤防の老朽化により大規模な浸水が発生する可能性があるため、海岸保全施設の防護機能を強化する。胸壁の一部改良を実施するほか、調査・設計を進めていく。

　新規事業ではこのほか、国道14号の交通安全対策に2億5000万円を計上。千葉市の幕張5丁目交差点で歩道整備を進めていく計画。交差点周辺の延長800mが対象で、調査設計や工事を実施する。

　一宮川水系一宮川河川激甚災害対策特別緊急事業に26億9000万円を充てる。一宮川の護岸工や橋梁架換(橋台工など)、樋門工などを計画している。

　首都圏中央連絡自動車道には、本県と神奈川県で367億6000万円を計上。未開通区間の整備によるネットワーク効果の早期発現に向け、調査設計や用地買収、改良工事、橋梁上下部工事、トンネル工事を進めていく。

　国道51号北千葉拡幅に8億円を投じる。四街道市～佐倉市区間の3・1kmで、調査設計や用地買収、改良工事を実施する予定だ。国道16号の木更津市貝渕地区電線共同溝に1億円を充て、引込連系管路工事を実施する予定だ。

　国道357号東京湾岸道路の本県区間に39億2000万円を計上。千葉市美浜区真砂から浦安市舞浜までの延長21・3kmが対象で、調査設計や橋梁下部工事、改良工事を推進する。

　千葉港千葉中央地区複合一貫輸送ターミナル整備事業に9億円を配分。貨物需要の増大に伴う内航RORO船の大型化に対応するとともに、大規模地震に対する耐震性能を持つ複合一貫輸送ターミナル(水深9m)を整備する計画。岸壁(水深9m)の本体工などを予定している。

　22年度の道路調査の見通しをみると、県内の湾岸地域について、県など関係機関と連携し、規格の高い道路ネットワークの計画の具体化に向けて検討する。千葉北西連絡道路については、県など関係機関と連携し、概略ルート・構造の検討に向けた調査を進める方針だ。

県と6市1村で
通学路緊急対策

　補助事業で、本県関連の新規事業箇所は次の通り。▽事業名(市町村名)＝[1]事業主体[2]22年度事業費[3]備考──の順。
【河川メンテナンス事業】
▽千葉県河川メンテナンス事業(香取市など)＝[1]県[2]3億2000万円
【ダムメンテナンス事業】
▽千葉県ダムメンテナンス事業(香取市・君津市)＝[1]県[2]9900万円
【砂防メンテナンス事業】
▽千葉県砂防メンテナンス事業(南房総市)＝[1]県[2]6650万円
【海岸メンテナンス事業】
▽千葉県海岸メンテナンス事業(市川市)＝[1]県[2]2億8000万円
【地域高規格道路補助制度】
▽国道126号山武東総道路三期(匝瑳市・旭市)＝[1]県[2]5000万円[3]銚子連絡道路
【都府県境道路整備補助制度】
▽県道(仮称)王子金町市川線・旧江戸川橋梁(仮称)＝[1]県[2]5000万円
【道路メンテナンス事業補助】
▽千葉県橋梁長寿命化修繕計画＝[1]県[2]28億9400万円[3]銚子海上線椎柴橋など
▽千葉市橋梁長寿命化修繕計画＝[1]千葉市[2]7億1900万円[3]市道源町大森町線根崎橋(上り線)など
【踏切道改良計画事業補助制度】
▽中広踏切道(千葉市)＝[1]千葉市[2]8800万円
【交通安全対策補助・通学路緊急対策】
▽千葉県通学路緊急対策推進計画＝[1]県[2]1億4200万円
▽佐倉市通学路緊急対策推進計画＝[1]佐倉市[2]1900万円
▽印西市通学路緊急対策推進計画＝[1]印西市[2]400万円
▽成田市通学路緊急対策推進計画＝[1]成田市[2]2500万円
▽富里市通学路緊急対策推進計画＝[1]富里市[2]800万円
▽茂原市通学路緊急対策推進計画＝[1]茂原市[2]1億3100万円
▽長生村通学路緊急対策推進計画＝[1]長生村[2]200万円
▽市原市通学路緊急対策推進計画＝[1]市原市[2]12億7900万円
【港湾メンテナンス事業費補助】
▽個別施設計画作成(千葉港など)＝[1]県[2]2000万円
【海岸メンテナンス事業費補助】
▽海岸メンテナンス事業(船橋市など)＝[1]県など[2]6億4700万円