LRTで市街地活性化 まちづくりビジョン 緑化や再エネ普及を促進(宇都宮市)

[2022/3/18 栃木版]

 宇都宮市は、LRTを基軸とした公共交通と一体となった都心部のさらなる活性化に向けた、都心部まちづくりビジョンを策定した。対象地区は中心市街地を中心とした、LRTを計画する大通り沿線(JR宇都宮駅~桜通り十文字、延長約3km)のエリアで、計画の目標年次は2030年ごろとする。安全・安心な歩行空間や自転車走行空間の確保、市街地の緑化、再エネ設備の普及促進、都市機能・居住誘導の推進、駐車場適正配置の誘導・推進、交通結節点やLRT等の基盤整備、新たな街路空間の構築などに取り組むとしている。

 市は、ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)形成を一層推進するため、LRTを基軸とした公共交通と一体となった魅力ある都心部の目指すまちの姿を描いた、都心部まちづくりビジョンを策定する。

 LRTまちづくりの将来像は、〝うごく つながる 心躍る みんなで創る 宮の街なか〟とし、地域資源を生かした各エリアのストーリー性のあるまちづくりを基本に[1]ウォーカブル[2]ICTなど先進技術の活用や脱炭素化の推進[3]多様な主体の連携(民間と行政の役割分担など)-3つの視点から、交通と一体となったまちづくりを検討・展開していく。

 ウォーカブルなまちづくりでは、イベント広場などに対応したゆとりある滞留スペース(たまり空間)の確保、バリアフリーやユニバーサルデザインに配慮した安全・安心な歩行空間や自転車走行空間の確保、街路樹や芝生広場による緑化、建築物等の色彩誘導、老朽建物の機能更新・共同化、オープンスペースの確保などを挙げている。

 ICTなど先進技術の活用や脱炭素化の推進については、ICT技術活用などのほか、外国人旅行者に伝わる案内サインの設置、事業所などでの太陽光発電システムや蓄電池などの普及促進などを進める。

 対象地区内では、拠点エリアに▽桜通り十文字周辺▽東武宇都宮駅周辺▽JR宇都宮駅西口周辺▽二荒山神社周辺-を、沿線エリアに▽桜通り十文字付近~東武宇都宮駅周辺(桜・小幡・材木町地区)▽東武宇都宮駅周辺~二荒山神社周辺(伝馬町・池上町・馬場地区)▽二荒山神社周辺~JR宇都宮駅西口周辺(大工町・宮の橋地区)-をそれぞれ設定した。

 桜通り十文字周辺では、バスとLRTなどの結節点として生活利便施設などを立地し、若者や学生などの交流空間を形成。桜通り十文字付近~東武宇都宮駅周辺では、利便性の高い街なか居住エリアの特性を生かし、落ち着いた街並み景観や、便利で暮らしやすい住環境を形成する。

 東武宇都宮駅周辺では、東武百貨店・オリオン通り・ユニオン通り・東武馬車道通り・LRT停留場などが一体となったにぎわい空間を形成。東武宇都宮駅周辺~二荒山神社周辺では、商業業務機能などを集積する。池上交差点~本町交差点付近は歓楽街・泉町の再生によるエリアの魅力向上、本町交差点(シンボルロード)~二荒山神社付近では緑や憩いの空間が連続した落ち着きと風格が感じられる街並み景観を形成し、にぎわい・交流機能を誘導する。

 JR宇都宮駅西口周辺では、商業・文化・情報などの機能集積、都市ブランドのシンボルとなる居心地の良い都市空間、田川沿いで親水空間を形成する。二荒山神社周辺~JR宇都宮駅西口周辺では、玄関口にふさわしい街並みや、高機能オフィスビルの誘導等による近未来を感じさせる都市空間を形成する。

 市民・事業者・行政が一体となってまちづくりを進めていくとし、ビジョンを共有化する。エリア別方針等の検討にあたって事業者は、地区計画、再開発、ファサード統一化の開発手法などを検討。また行政は、新たな街路空間や公共交通ネットワークのあり方、都心部における都市機能の配置、駐車場配置、交通結節点やLRT停留場周辺の整備など、交通と一体となったまちづくりを検討して、都市機能・居住誘導の推進、駐車場適正配置の誘導・推進、交通結節点やLRT等の基盤整備、新たな街路空間・公共交通ネットワークの構築、大通り沿線を軸とした都心部へのアクセス向上など、具体化に向けた取り組みを進める。

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