岩間消防署を改築 当初予算 笠間工芸の丘で改修設計(笠間市)
[2022/03/15 茨城版]
笠間市はこのほど、第1回市議会定例会に提出する22年度当初予算案を明らかにした。一般会計の総額は325億1000万円で、前年度から0.2%増加している。主な事業では、岩間消防署の新庁舎改築工事を開始するとともに、老朽化したあたご天狗の森公園や笠間工芸の丘改修のための設計を計画している。このほか、笠間PAスマートICのアクセス道路の設計を進めて、市内へのアクセス向上を図る。
一般会計を性質別でみると、普通建設事業費は前年度と比べ5億5318万円、率にして15.2%減の30億9350万円。最終処分場建設事業が10億0125万円、岩間消防署庁舎整備関係の事業が1億8604万円、観光施設整備事業が9722万円それぞれ増額となっているが、道の駅整備事業の完了による減などで総額は減少に転じた。
特別会計は5会計の合計が1.8%増の167億2200万円、企業会計は4会計の合計が4.6%減の72億0290万円となり、一般会計と特別会計、企業会計を合わせた予算総額は前年度からほぼ横ばいの564億3490万円となった。
このうち、農業集落排水事業は管路移設更新工事費の増などで8.5%増の5億8600万円。病院事業の資本的支出は、設備更新事業増額の影響で70.7%増、水道事業の資本的支出は宍戸浄水場の更新にかかる費用の減額により12.4%の減、工業用水道事業の資本的支出については1号井取水施設改修に伴う費用の皆減により併せて皆減となった。公共下水道は、汚水管路建設費の減額で資本的支出が10.9%減少する。
新年度の主な事業を見ると、岩間消防署の整備に22-23年の2カ年で総額5億6288万円の継続費を設定した。新庁舎を22年度から2カ年で現庁舎の駐車場に整備する。既存施設の規模は事務棟がRC造2階建て、延べ374平方m、増設した車庫が70平方m、救急室が32平方mとなる。実施設計は匠建築研究室(水戸市)が担当している。なお、施設整備後に既存庁舎は解体する予定となる。
観光施設整備事業では、新規事業として笠間工芸の丘大規模改修設計費に4356万円を計上。センタープラザをはじめ、体験工房や窯場、登り窯などで雨漏り対策の屋根や内部の改修を行う。22年度に設計を行って、23年度から複数年度にわたって工事を進めていく。
また、建設から約20年が経過し、老朽化が進むあたご天狗の森公園では、リノベーションの実施設計費として1958万円を予算化した。基本計画をHAGISTUDIO(東京都台東区)に委託し、本年度内に策定する。22年度に設計、23年度に工事を行い、24年4月のオープンを目指す。このほか、菊栽培所事務室の改修設計に65万円、つつじ公園山頂のトイレ整備工事に4172万円を盛り込んだ。
継続事業では、笠間PAスマートIC整備事業で笠間PAから県道稲田友部線までをつなぐアクセス道路の測量や設計業務を委託するため、測量設計等委託料2981万円とNEXCO東日本への負担金2472万円を予算化。市内には既に友部IC、笠間西ICの2カ所のICがあるが、交通混雑の緩和や9月にオープンした道の駅かさまなどへのルートとして、新たにスマートICを設置して代替路線を確保する。スマートICの整備により、国道50号や国道355号などの混雑区間を避けた新たなルートが確保され、アクセスが向上することが期待されている。
新たなスマートICは上加賀田の笠間PA内に設置され、県道稲田友部線から分岐する新たなアクセス道路を市が整備して接続させる方針。形式はSA・PA接続型で全方向、全車種、24時間稼働となり、一日1000台程度の利用を見込んでいる。
安居工業地域の整備事業には1億0543万円を盛り込み、岩間ICや既存の岩間工業団地に近接する利便性を生かした同地域の土地利用促進を図る。22年度は用地買収や支障物件の補償のほか、路線測量や実施設計、用地測量及び補償物件調査を実施し、幹線道路や区画道路、水路などの整備を行う。
清掃施設建設事業では5761万円を確保。市の環境センターは、運用開始から29年が経過し、老朽化への対応が課題となっており、市では新たなごみ処理場建設を計画している。建設地は長兎路仁古田入会地地内の既存施設に隣接するグラウンドを候補地とする。22年度は基本計画の策定やPFI等導入可能性調査を進めて、28年度の運用開始を目指す。
新たな最終処分場の整備事業には13億1202万円を計上。友部地区と岩間地区のごみ処理施設「諏訪クリーンパーク」の第1期埋立が23年度に終了となるため、第2期の最終処分場を隣接する諏訪グラウンドに建設する。本年度から最終処分場建設工事を熊谷組(東京都新宿区)、浸出水処理施設建設工事を共和化工(東京都品川区)で実施しており、22年度までの2カ年で施工して23年3月の竣工を目指す。第2期は埋立地面積1万1000平方m、埋立容量4万8600立方mとなり、埋立期間は23年度から37年度までの15年間となる見通しだ。