5カ年で165棟改修 学校長寿命化II期中期計画 来年度は24校39カ所を(県教委事務局)

[2022/3/11 栃木版]

 県教育委員会事務局は9日の県議会文教警察常任委員会で、県立学校施設長寿命化保全計画第II期中期計画を報告した。この計画は、「県立学校施設長寿命化保全計画」(16年2月策定)に基づき、計画的な維持管理を実施するための中期的な計画を定めるもの。計画期間は2022年度から26年度までとし、長寿命化保全計画の対象施設780棟のうち、165棟程度で改修などを実施していく。この5年間における事業規模は、総額120億円程度と試算。22年度については、高校と特別支援学校をあわせて24校28棟の39カ所で改修を行うほか、23年度以降の工事を見据えた設計委託を5カ所で実施する予定となっている。

 県立学校施設長寿命化保全計画によると、県有施設の約4割を占める学校施設のうち、築30年以上を経過した施設が保有面積の約7割を占めるなど老朽化が進行していることから、建物を計画的に改修することで費用の縮減を図るとともに、建物や設備の機能維持・回復をしながら、児童生徒の安全安心な学習環境の確保を目指す。

 計画期間は16年度から55年までの40年間で、対象施設は延床面積200平方m以上の校舎、体育館など。16年4月1日現在で、対象棟数は780棟、対象施設延床面積は91万4891平方mとなっている。

 基本方針は「予防保全」を推進するほか、建物の使用年数も計画的に改修することで、建物の機能を維持したまま80年を目標に建物を使用する。さらに「メンテナンスサイクル」を構築して定期的に建物の点検・診断を行うほか、別途5年ごとの中期的な計画を策定して改修を実施する。第I期中期計画では、現に不具合が発生し早急な対応を要する建物80棟程度の事後保全対策を実施。期間は17年度から21年度までの5カ年で、全体事業費には約70億円を投じた。

 今回の第II期からは、予防保全に軸足を移す。対象棟選定の考え方は、改修時期が到来し劣化度が全面改修の状態にある部位を有している建物とし、工事の実施年度は劣化の度合い、利用状況などを総合的に勘案する。改修時期が未到来でも、不具合発生時に学校に多大な影響を及ぼす重要設備や、現に不具合が発生し早急な対応が必要な部位を含む。

 22年度については、高校が宇都宮東高校校舎(特別教室および管理棟)北側の屋根、外壁など、計15校17棟の23カ所で実施する予定。特別支援学校は、盲学校中高部普通教室棟の屋根、外壁、内部、エレベーターなど、計9校11棟の16カ所を予定する。39カ所の改修部位別は屋根9カ所、外壁8カ所、サッシ1カ所、内部2カ所、受変電設備6カ所、給水設備2カ所、暖房設備2カ所、トイレ4カ所、エレベーター5カ所となる。

 20年度工事実施予定箇所は次の通り。(▽学校名=[1]棟名[2]改修部位)
【高校】
▽宇都宮東高校=[1]校舎(特別教室及管理棟)北[2]屋根、外壁
▽宇都宮南高校=[1]管理特別教室棟[2]外壁、サッシ
▽宇都宮北高校=[1]普通教室棟、普通教室[2]給水
▽鹿沼東高校=[1]普通教室棟[2]トイレ
▽上三川高校=[1]普通特別教室棟[2]トイレ
▽石橋高校=[1]変電所[2]受変電設備
▽小山西高校=[1]ポンプ室・変電室[2]受変電設備
▽小山城南高校=[1]実習棟[2]屋根、外壁
▽栃木高校=[1]特別教室(南校舎)[2]屋根、外壁
▽栃木農業高校=[1]家庭土木科棟[2]屋根
▽栃木商業高校=[1]変電所[2]受変電設備
▽鳥山高校=[1]新館(校舎)[2]屋根、外壁
▽大田原女子高校=[1]第2校舎(特別教室)[2]屋根、外壁
▽那須拓陽高校=[1]変電室(2箇所)[2]受変電設備
▽さくら清修高校=[1]変電室[2]受変電設備
【特別支援学校】
▽盲学校=[1]中高部普通教室棟[2]屋根、外壁、内部、エレベーター[1]音楽室[2]屋根、外壁、内部
▽聾学校=[1]普通特別教室棟[2]トイレ
▽富屋特別支援学校=[1]校舎本館〈第1〉[2]エレベーター
▽今市特別支援学校=[1]中学部棟[2]屋根
▽国分寺特別支援学校=[1]管理棟[2]エレベーター
▽栃木特別支援学校=[1]校舎[2]エレベーター[1]体育館兼講堂[2]暖房設備
▽足利特別支援学校=[1]体育館兼講堂[2]暖房設備
▽足利中央特別支援学校=[1]管理特別教室棟[2]エレベーター
▽那須特別支援学校=[1]高等部棟訓練棟〈第2〉[2]トイレ

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