インフラDX試行導入 無電柱化に新工法を積極活用(千葉県議会県土整備常任委)
[2022/3/11 千葉版]
千葉県議会の県土整備常任委員会が10日開かれ、県土整備部関連の予算案など24議案について審議した。22年度予算案の審議では、インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を試行導入することのほか、無電柱化や地籍調査の事業計画などが明らかになった。
インフラ分野のDXについては、新規事業として5980万円を計上。北千葉道路の一部区間で設計図面を3次元モデルにする「BIM/CIMモデル」を試行導入する。その後の施工や維持管理などでも活用することで、品質の確保や受発注者双方の業務効率化・高度化を目指す。
道路維持管理業務では、情報通信技術を活用し、路面状況の自動把握や報告書の自動作成により、業務の効率化を見込んでいる。港湾の航路では、海底を3次元で測量し、高精度な地形データを取得することにより、局所的な堆砂などの見落としを防ぐ方針だ。
今後も道路や河川、港湾など各分野で、インフラ分野のDXを推進していくことが必要とし、部内の職員を対象にインフラ分野のDXに関する研修などで人材育成に努めるとともに、試行導入の状況や国の動向なども踏まえ、部内横断的に取り組んでいく考えを示した。
無電柱化について、県は20年3月に策定した無電柱化推進計画に基づき、優先整備区間83km、事業化推進区間151kmの計234kmで事業を推進。22年度は20路線22カ所の延長36kmで計画している。
電線共同溝の工事では、浅い位置での管路埋設や材料費を削減できる新材料の採用など、新工法を積極的に導入するほか、既存管路の有効活用なども進め、コストや工期の縮減に取り組んでいく。
地籍調査については、県内の対象面積が4897km2で、20年度末時点の完了面積は843km2となり、進ちょく率は17・2%にとどまっている。22年度の調査実施面積は約25km2を予定している。
委員会で池口正晃部長は、22年度の組織改正や、東京湾アクアラインの通行料金800円の継続に関する要望、河川の災害対策、千葉港ポートセミナーなどについて報告。災害発生時の対応力強化を図るため、県土整備政策課に「災害対策担当課長」を新設することなどを説明した。