普通建設費16%増 千葉県内37市の2022年度予算案(本紙調べ)

[2022/3/5 千葉版]

 千葉県内37市の2022年度当初予算案が4日までに出そろった。一般会計予算の総額は、前年度比4.9%増の2兆3890億0624万円。このうち普通建設事業費は同16.9%増の2413億2828万円となった。予算規模をみると、千葉や松戸、我孫子、野田、市川、船橋、君津、木更津、市原、袖ケ浦、館山などで過去最大となった。要因として、感染症対策に伴う経費の計上や扶助費の増額などをあげている自治体が多い。建設関連では、トイレ洋式化など学校施設の環境改善費、通学路の安全対策費などの計上が目立つ。

 各市の一般会計予算額と普通建設事業費は表の通り。市長選挙を控え編成になったことなどから、市川、木更津、四街道、匝瑳、東金の5市が骨格予算となった。これらの自治体については、市長選後の補正予算で肉付けする予定だ。

 普通建設事業費をみると、21市(21年度17市)が増加し、16市(同20市)が減少した。トップは、昨年と変わらず千葉市で、予算額は632億8841万円。千葉市のほか、100億円を超えたのは松戸、柏、船橋、市原の4市で、市川と流山に替わって船橋と市原が入った。市原市は、し尿処理施設の更新のほか、仮称・八幡椎津線やいちはら子ども未来館の整備などで大幅なプラスとなった。

 最も伸び率が大きかったのは佐倉市(前年度比242%増)。交通安全施設の整備費や橋梁維持費などが増加している。

 続く八街市(同169%増)は、ごみ焼却施設の基幹的設備改良に伴う事業費を確保する。

 このほか、四街道市(同104%増)で庁舎建て替え、八千代市(同94%増)で大和田複合施設に着工。市原市(同66%)に次ぐ木更津市(同61%増)では、新火葬場整備運営事業や周辺の市道整備などの工事が本格化する。

 一方、伸び率が最も小さい匝瑳市(同49%減)は、市長選のため骨格予算を意識して編成。鎌ケ谷市(同32%減)は、防災行政無線デジタル化事業などの減額により、大幅なマイナスとなった。

 今後の大型事業をみると、千葉市は、汚泥固形燃料化事業や下田最終処分場の浸出水処理施設建替で事業者の選定を進めるため、債務負担を設定したほか、千葉中央コミュ二ティーセンター再整備や新設校の建設に向けた設計、ZOZOマリンスタジアムのあり方検討などに着手する。

 市原市は、新庁舎の基本設計や一般廃棄物処理施設の整備計画策定調査に乗り出す。

 成田市は、十余三地区の東小跡地にゴルフ場を整備、避難所機能のあるクラブハウスを新設。給食センター本所と玉造分所の再整備基本・実施設計に着手する。

 富津市は、大型商業施設「イオンモール富津」の空きスペースに市立図書館を整備、23年4月の開館を目指す。

 学校関連では、流山市で市野谷小学校(仮称)に着工、南流山中学校を東洋学園大学旧校舎へ移転するための整備工事に着手する。習志野市は、大久保小学校と第二中学校を建て替える。館山市は、第三中学校の敷地内に新館山中学校を建設する。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.