雨水幹線に16.7億円 当初予算案 市毛で配水幹線を更新(ひたちなか市)
[2022/3/2 茨城版]
ひたちなか市(大谷明市長)はこのほど、22年度当初予算案を発表した。一般会計当初予算は557億7500万円で、前年度比2.4%の増額となった。主な事業では、雨水幹線整備事業に16億7294万円を計上するほか、引き続き佐和駅東西自由通路・新駅舎整備事業や高場陸橋の4車線化などを推進する。このほか、旧県立那珂湊第二高等学校跡地利活用事業で新施設の工事費に2億2614万円を計上するほか、防災行政無線設備整備事業や大島陸橋の長寿命化工事、文化会館の改修工事などを盛り込んだ。
予算編成に当たっては、コロナ対策を推進するとともに、財政の安定と健全性を確保しながら限られた財源の適正配分に努め、市民生活に係る喫緊の課題に対応を図るものとした。こうした中での普通建設事業費は38億0077万円となり、旧県立那珂湊第二高等学校跡地利活用事業や民間保育所施設整備費補助などにより、前年度比8%の増加となった。
特別会計と企業会計を含めた総額は1006億3140万円で、一般会計や駅前広場に着工する佐和駅東土地区画整理事業特別会計などの伸びはあるものの、上坪浄水場更新事業の完了による水道事業会計の大幅な減少に伴い、全体では前年度当初比2%の減額となっている。
主要施策ごとに主な事業を見ると、「市民の安全安心な暮らしを守るまちづくり」には、雨水幹線整備事業のほか、市毛地内配水幹線更新事業に880万円、防災情報配信事業に2億6015万円などを計上した。
雨水幹線整備事業では、中丸川流域における浸水被害軽減プラン(100ミリ安心プラン)に基づき、引き続き高場流域や大島流域の雨水幹線整備を進める。新年度はこのほか、東部第2や武田、佐和駅東、六ッ野、船窪の各土地区画整理事業区域内でも雨水幹線整備を行う計画だ。
市毛地内配水幹線更新事業は老朽化したφ700mmの配水幹線を更新するもの。22年度からは2カ年で国道6号を横断する約600m区間を整備するため、水道事業会計には総額6億8640万円の継続費を設定する。事業完了は25年度ごろを予定し、全体では約12億円の事業費を投じる計画だ。
防災情報配信事業は、防災行政無線のデジタル化工事などに着手するもので、22-25年度の4カ年で総額14億8011万円(債務負担行為)を投じる。本年度は、ビーム計画設計(東京支店=東京都港区)により実施設計を策定し、22年度は子局などの整備に着手する。
「快適で機能的な住みよいまちづくり」の施策には、佐和駅東西自由通路・新駅舎整備事業に7億8150万円、佐和駅東口・西口駅前広場整備事業に1億1000万円、高場陸橋の4車線化に2億3295万円などを計上した。
佐和駅東西自由通路・新駅舎整備事業では、20年12月の定例市議会でJR東日本との東西自由通路・新駅舎整備工事委託に関する協定が可決され、23年春ごろの供用開始を目指して事業を進めている。新自由通路は現在地の北側に配置し、延長は80m(延べ約530平方m、幅員4m)。自由通路の南側には橋上駅舎(S造2階建て、延べ約490平方m)を整備する。市が整備する駅前広場では、東口の駅前広場(約6000平方m)や自転車駐車場整備を行うほか、西口駅前広場では駅舎完成後の改修に向けた設計をまとめる。
都市計画道路東中根高場線のJR跨線橋「高場陸橋」の4車線化計画では、昨年9月にJR東日本と結んだ協定に基づき、上部工に着手する。既存橋の老朽化や渋滞などの課題を受けて計画したもので、新橋は既に拡幅分の用地が確保されている既存橋の北側に設置する。新橋のアプローチ部分は盛土構造、橋梁部の延長は41mほどで計画する。順調に進めば、24年度末の供用開始を予定している。
「市民とともに知恵と力を合わせたまちづくり」の施策では、旧県立那珂湊第二高等学校跡地利活用事業のほか、公共施設マネジメント事業に1799万円を計上した。このうち、旧県立那珂湊第二高等学校跡地では、スポーツや文化活動、地域交流活動などの活動の場として「しおかぜみなと」が運営し、これまでに既存施設の解体工事などを進めていた。新年度は、事務局や多目的室などに活用している旧校舎棟に代わる新施設(S造平屋約430平方m程度)の整備を行い、内部には事務局のほかに会議室や多目的施設などを設置する。設計はフケタ設計(茨城事務所=つくば市)がまとめた。
公共施設マネジメント事業は、施設保全計画の策定を行うもので、債務負担行為には施設保全計画策定事業として2カ年で総額4300万円を設定している。
このほか、JR常磐線に架かる大島陸橋では長寿命化工事を計画し、JR東日本への委託料として総額3億9930万円(22-26年度)の債務負担行為を設定。文化会館では、屋上や外壁などの改修工事に2カ年総額3億7114万円(22-23年度、債務負担行為)を投じる計画だ。