旧庁舎跡地で卸売市場検討へ 吾妻公園に文化芸術施設(千葉県木更津市)
[2022/3/2 千葉版]
千葉県木更津市は1日、木更津飛行場周辺まちづくり構想の素案を明らかにした。防衛省まちづくり支援事業などを活用し、吾妻公園で文化芸術施設、旧庁舎跡地で公設地方卸売市場の整備などを検討していることが分かった。構想策定支援業務は船場(東京都港区)が担当している。
1日に開催した市議会総務常任委員会協議会で市長公室公共施設マネジメント課が報告した。まちづくり構想の対象範囲は、住宅、商業ともに開発が進んでいる金田地区から旧庁舎跡地にわたる区域を一体的にとらえた上で、「江川総合運動場周辺」「吾妻公園」「木更津駅周辺」「旧庁舎跡地」の4カ所を重点地区として分散配置している。
まちづくりの考え方をみると、金田地区から「みなとまち木更津再生プロジェクト」に掲げている駅周辺地区、内港地区、築地地区へ人の流れを誘導するため、各重点地区を経由しながら、スポーツや文化芸術活動などの交流の場とするとともに「災害に強いまちづくりの実現」に向けた施設整備を目指す。
整備方針をみると、江川総合運動場は、野球やテニス、アスレチックが楽しめるスポーツ拠点であるとともに、周辺の防衛省国有地を活用し、築山や防災機能を備えた公園を整備する。
併せて、公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、平時はスポーツ合宿などができる施設、災害時は一時避難機能などを備えた施設について、可能性を検討していく。
吾妻公園では、さまざまな人が親しめる憩いの場とするため、幅広い世代の市民が訪れ、情報の受発信ができる文化芸術施設を整備する。ホール機能などを備え、図書館と公民館を複合させた施設を想定している。
良好なアクセス性と恵まれた施設規模を活かし、500台程度の駐車場やカフェ、ショップなどの商業施設を併設することで、市民だけでなく来訪者も気軽に訪れる交流拠点を目指す。
木更津駅周辺では、庁舎整備事業による民間複合施設の整備が予定されており、施設内の市民交流スペースの活用によるにぎわいを創出する。3月にオープンする鳥居崎海浜公園も集客が見込まれるため、木更津駅からみなと周辺の一体的なまちづくりをさらに進める。
旧庁舎跡地では、多彩な機能が複合した施設づくりを進めていく方針。公設地方卸売市場の検討を進めるほか、地元の素材を使ったレストランや物販店などを検討している。
基本構想については、パブリックコメントや総合政策会議などを経て、公表する。22年度に基本計画、23年度に実施計画の策定を進めていく。吾妻公園の文化芸術施設については、24年度から事業手法の検討や基本・実施設計などを進め、26年度の着工を目指す。
同市の22年度当初予算案では、まちづくり支援事業に2398万円を計上している。