［2022/3/1　茨城版］
　水戸市(高橋靖市長)は2月28日、記者会見で22年度の当初予算案を公表した。一般会計の総額は対前年度比5％増の1244億7200万円。一般会計の予算規模としては過去4番目の規模となった。主な新規事業としては、新斎場整備事業で工事費に22-24年の3カ年で総額33億6000万円の継続費を設定。このほか、旧清掃工場の跡地利活用で解体工事設計委託料や学校施設の緊急安全対策費、寿小学校長寿命化の実施設計委託料などを盛り込んだ。

　このうち、普通建設事業費については、同17.4％増の213億2301万円。増加となったのは、20年度から進めていた新市民会館整備事業が最終年度にあたることなどが原因となる。特別会計では10会計の合計が1％減の539億7580万円、公営企業会計では2会計の合計が0.4％増の289億5800万円。これらをあわせた予算総額は2.7％増の2074億0580万円となった。

　予算編成の際には、子育て支援と教育について、最重要政策と位置付け、施策の更なる充実を目指した。また、新市民会館の整備や連携中枢都市圏の取り組み、新型コロナ対策などに係る予算措置を講じている。

　主な事業のうち、新斎場整備事業では新築工事費に22-24年の3カ年で総額33億6000万円の継続費を設定。新斎場は年間火葬可能件数が24年度に超過することや、既存施設の老朽化を受けて実施する。施設の構造・規模はRC造一部S造2階建て延べ約4200平方ｍ。基本・実施設計は桂・団設計JVが担当している。

　旧清掃工場の跡地利活用では清掃工場の解体実施設計と跡地利活用基本計画に7900万円を配分。この事業は、下入野町の新清掃工場が完成したことを受け、旧清掃工場の跡地活用を行うもの。22年度に解体設計を行い、23-24年度の2カ年で解体工事を行う。跡地利活用については、22年度内に基本計画を策定し、整備の方向性を決定していく。

　学校施設の緊急安全対策事業では老朽化した学校施設の修繕費に2億3000万円を計上した。この事業は長寿命化の対象でない学校の経年劣化に対応するもの。前年度の学校関係の修繕費と比較すると、約2倍の予算措置を行っているという。また、寿小学校では、校舎棟の長寿命化を実施する。実施設計と地質調査委託料に3500万円を確保した。

　墓地公園整備事業では、浜見台霊園で合葬式墓地の整備を行う。工事費には8000万円を予算化。市では多様化する墓地需要に対応した新たな形態の墓地として、合葬式墓地の整備を行う。その際には共同埋蔵方式を採用し、約2000基の整備を予定。単年度で工事を完了し、23年度の供用開始を目指す。

　市民センター長寿命化改修事業には3億1300万円を計上。渡里市民センターで実施設計、三の丸市民センターで改修工事を行う。なお、三の丸市民センター改修の実施設計は荻建築設計事務所(水戸市)が担当している。

　緑岡出張所改築事業では本年度に引き続き基本・実施設計の策定を進める。事業には21-22年の2カ年で3300万円の継続費を設定。この事業は老朽化した出張所の改築を行う。新施設の構造・規模はRC造2階建て、延べ583平方ｍ程度。22年度内に設計を策定し、23年度からの着工を予定する。なお、設計は桜設計事務所(水戸市)が担当している。

　台渡里官衙遺跡群の整備では、史跡保存活用に向けた検討などに2021万8000円を予算化した。この遺跡群は観音同山地区に位置し、1300年前の奈良・平安時代に栄えた常陸国那賀郡の郡役所跡。周辺住民からは、同遺跡での公園整備を望む声があるという。これを受けて、市は歴史公園の実現に向けて検討などを実施していく。

　新市民会館整備事業には89億2000万円を計上。内訳は保留床取得に約85億円、サイン設置工事費に約1億円、初度調弁費に約3億円を配分している。

　国補公園建設事業では3億7540万円を予算化した。新年度には千波公園レイクサイドボウル跡地駐車場整備工事や、東部公園スポーツレクリエーションゾーン(仮称)整備工事、七ツ洞公園および保和苑バリアフリー改修工事などを予定する。

　市営住宅長寿命化型改修事業では3億0460万円を計上。新年度は屋根・外壁など改修工事を河和田住宅と平須町住宅、給水管改修工事を平須町住宅と桜が丘住宅で実施していく。

　国補街路整備事業では都市計画道路の整備を進める。事業費には6億3000万円を確保。対象は、中大野中河内線と赤塚駅水府橋線、偕楽園公園上水戸線、赤塚駅西線の4路線となる。

　水道関係では水道施設耐震化に11億1880万6000円、老朽施設の更新に20億7192万4000円を計上。下水道関連では管渠建設改良に27億7716万1000円や、処理場建設改良に11億3263万円などを盛り込んだ。