「みかも山」と「わんぱく」 都市公園のパークPFI 導入候補に2カ所(県都市整備課)

[2022/2/22 栃木版]

 県都市整備課は18日、2回目となる「県都市公園民間活力導入基本構想策定委員会」(委員長・青木章彦作新学院大学女子短期大学部教授)をウェブ方式で開催した。県は8つの都市公園のうち2公園程度でPark-PFIの導入を目指しており、今回の委員会では事業発案に係るサウンディング調査結果を委員に報告するとともに、Park-PFI先行導入候補とする公園に「みかも山公園」と「とちぎわんぱく公園」を選定したと説明した。今回の委員会の意見も踏まえて、県は近く先行導入する2公園を決定するとともに、年度内に基本構想を策定する。順調にいけば、2022年度下半期にも公募設置等指針を公表し、23年度にはPark-PFI事業の基本協定を締結して事業者の計画を認定する。

 県は県営都市公園の魅力向上のため、公募型設置管理制度(Park-PFI)をはじめとする民間活力導入を検討しており、本年度は各公園のコンセプトや民間活力導入の実現可能性を踏まえた適性を評価して、民間活力導入の基本構想を進めている。今回は、昨年11月から12月に実施した民間事業者への「事業発案」に係るサウンディング調査と、その結果を踏まえた各公園の評価について、各委員から専門的な意見を聴取した。

 このサウンディング調査は、県営都市公園8公園を対象に民間活力導入に係る基本構想の策定やPark-PFIを先行導入する公園を検討するため、関心のある民間事業者から民間活力導入の可能性やPark-PFI手法での事業参入意向、および公園の魅力向上に関するアイディアを把握するため実施した。

 その結果、20社(県内4社、県外16社)が回答。8公園のうち鬼怒グリーンパークを除く7公園でPark-PFI手法での事業参入に関心が示され、現時点で想定される事業提案が得られた。

 事業提案は飲食店(レストラン、カフェ含む)やBBQ施設、また宿泊施設としてグランピング、キャンプ場などがあり、運動施設の提案もあった。参加形態は所有者(運営主体兼ねる)を想定した回答が多く、その他所有者(リーシング)、テナントのほか、運営主体へのコンサルティングやファイナンスという回答もあった。

 調査結果を基に、県は▽収益事業への参入意向▽コンセプトとの整合性▽公園利用実態との適合▽公園の課題への対応▽地域との連携・地域への貢献▽公園の市場性-の6項目を評価。一次選定として、鬼怒グリーンパークは敷地の大部分が鬼怒川の河川区域内にあり河川法に基づく規制があるほか、災害発生時のリスクが高いこと、「収益事業への参入意向」を示した民間事業者は無かったことなどを理由に、先行事例とする公園に選定しないこととした。

 二次選考は残る7公園を対象に、提案内容の各項目の評価内容から選考。このうち「みかも山公園」と「とちぎわんぱく公園」は、県営都市公園の中でも年間を通して比較的安定的に公園利用者が訪れ、かつ年間利用者数が多い公園であるため、より多くの民間事業者からより多様な事業が提案されるものと考えられるから、Park-PFI導入の先行事例とする公園に選定した。評価対象施設は、「みかも山公園」がカフェやレストラン、「とちぎわんぱく公園」がカフェやレストラン、BBQ・グランピングとなる。

 委員からはさまざまな意見が出たが、県の選定した候補の2公園について「妥当性がある」として了承した。県は近くPark-PFI導入の先行事例とする公園を2カ所を正式に決定して、これら公園で現地補足調査や公園利用に係るアンケート調査を実施する。併せて、本年1月から建設技術研究所(本社・東京都)に委託している基本構想を3月にもまとめ、第3回の委員会でこの基本構想案を協議する。

 22年度は、上半期にPark-PFI導入公園の「事業化検討」に係るサウンディング調査を実施し、この調査結果や基本構想を踏まえて公募設置等指針を作成・公表する。23年度にはPark-PFI事業の基本協定を締結し、事業者の計画を認定するとしている。

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