労務単価 10年連続上昇 本宮城県は全職種平均2.7%増(国交省)

[2022/2/19 宮城版]
 国土交通省は18日、3月から適用する公共工事設計労務単価を公表した。有効標本が得られた50職種の平均単価は、全国が前年3月比で2.5%増の2万1084円。10年連続の引き上げで過去最高を更新した。今回も新型コロナウイルス感染症の影響下であることを踏まえた特例措置を適用。本県の全職種平均は同2.7%増の2万8665円で、こちらも過去最高を更新した。

 本県の所定労働時間内8時間当たりの職種別単価は別表の通り。2021年3月から適用されている単価と比べると、特殊作業員や運転手(一般)が1400円の増、普通作業員が800円の増、軽作業員が1000円の増、とび工が1600円の増、鉄筋工が2200円の増など。

 単価の設定に当たっては、最近の労働市場の実勢価格を適切に反映したほか、必要な法定福利費(個人負担分)相当額や義務化分の有給休暇取得に要する費用、時間外労働を短縮するために必要な費用を反映させた。

 宮城・福島・岩手の被災3県は、東日本大震災による入札不調状況に応じた単価引き上げ措置を継続。コロナを踏まえた特例措置では、前年度を下回った単価について、前年度単価に据え置いた。

 全国、本県とも必要な法定福利費相当額を加算するなどした2013年の改定から単価が10年連続で上昇。12年度比で見ると、全職種の全国平均は実に57.4%増となっている。

 公共工事で広く一般に従事されている特殊作業員や普通作業員、とび工、鉄筋工などの主要12職種に限って見ると、全国平均が同3.0%増の1万9734円となった。これは12年度比で見ると57.6%増の金額。

 単価設定に必要な公共事業労務費調査では、国交省と農林水産省所管の直轄・補助事業等のうち、昨年10月に施工中の工事から1件当たり1000万円以上の工事を無作為に抽出。調査対象となる51職種の建設労働者等を選び、賃金の支払い実態を把握した。有効標本数は全職種で8万57994人だった。

 建築ブロック工については十分な有効標本が確保できず単価設定に至らなかった。さらに本県では、石工、山林砂防工、軌道工、屋根ふき工も有効なデータが集まらず単価を設定していない。

 公共工事設計労務単価は[1]基本給相当額[2]基準内手当[3]臨時の給与[4]実物給与──で構成。事業主が支払う法定福利費や労務管理費、安全管理費などの必要経費は含まれていない。

 仮に労務単価が2万1084円の場合、事業主が労働者1人の雇用に必要な経費は2万9728円となることに留意する必要がある。
公共工事労務単価

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