一宮川の上流域・支川 22年度に新規事業化 (千葉県)
[2022/2/19 千葉版]
千葉県は、2019年10月の豪雨で甚大な浸水被害を受けた一宮川の上流域と支川の整備について、22年度に新規事業化する方針を示した。22年度予算案では第三調節池の新設などで7億7300万円を計上。詳細設計や測量、地質調査などに着手し、用地補償交渉などを経て、早期の着工、29年度までの完了を目指す。
18日に開催された第3回一宮川流域治水協議会で、県河川整備課が説明し、了承された。新規事業化に先立ち、一宮川水系河川整備計画を変更し、上流域・支川の河川整備を新たに位置付ける。
変更原案をみると、浸水対策では、過去30年間で4度の家屋浸水被害が発生したことを踏まえ、19年10月豪雨と同規模の降雨に対して、関係市町村が行う内水対策や土地利用施策と河川整備が連携した「一宮川流域浸水対策特別緊急事業」を実施し、家屋や主要施設の浸水被害ゼロを目指す。
追加する河川工事をみると、一宮川では、豊田川合流点~水上川合流点の延長11.8kmで河道改修や、55万m3規模の調節池新設などを推進する。
阿久川では一宮川合流点で延長1.6kmの河道改修、豊田川では一宮川合流点の延長600mと上流区間の延長1kmで河道改修、三途川では一宮川合流点~長南川合流点の延長4.5kmで河道改修をそれぞれ計画している。
浸水防止対策では、一宮川の三途川合流点~水上川合流点の延長2km、三途川の一宮川合流点~長南川合流点の延長1km、水上川の一宮川合流点から上流の延長200mを対象に、それぞれ輪中堤などを整備していく。
県の22年度予算案では、一宮川流域浸水対策特別緊急事業について、補正予算分も含め、74億7300万円を計上するとともに、限度額16億0500万円の債務負担を設定している。
一宮川の中流域で河道拡幅や護岸法立て、第二調節池の増設、堤防かさ上げなどの河川改修、下流域で河道掘削、上流域・支川で第三調節池の新設、茂原市街地で局所的な改修などを進めていく。
県は22年度、上流域などの整備を推進するため、一宮川改修事務所に「復興第三課」を設置するほか、事業促進PPPを導入する考えだ。