一貫校で基本設計 当初予算案 新保健施設を見送り(龍ケ崎市)
[2022/2/15 茨城版]
龍ケ崎市(萩原勇市長)は14日、22年度の当初予算案を発表した。一般会計の総額は、過去最大規模だった前年度当初(257億8200万円)から0.1%減の257億6000万円で、ほぼ同規模を維持した格好だ。主な事業では、北竜台地区の施設一体型小中一貫モデル校整備事業費に3800万円を予算化し、基本設計などに着手する。このほか、市道第1-380号線(佐貫3号線)の整備を進めるほか、DB方式で進めている新学校給食センターの建設工事を本格化させる。一方で、新長戸コミュニティセンター建設事業や新保健施設建設事業については、萩原市長の市長就任から間もないため、当初予算への事業費計上は見送られている。
今回の予算編成に当たっては、新市長にとって初めての編成となる中、新型コロナウイルスによるこれ以上の市民生活への影響を回避するため、規定事業の休止や廃止は最小限にとどめる予算編成としたという。投資的事業では、長期に渡る市政運営への影響を考慮し、新年度の実施設計などを予定していた新長戸コミュニティセンター建設事業や新保健施設建設事業など一部の事業では予算計上を見送った一方、教育環境の向上は最優先課題だとして、小中一貫校の予算付けを行ったとしている。
一般会計に占める普通建設事業費は、前年度比11.5%減の16億9780万円となったが、3月補正で新学校給食センターに5億1086万円、市道第1-380号線(佐貫3号線)整備事業に3億2470万円をそれぞれ前倒しすることが大きいとしている。特別会計を含めた総額は406億7780万円で、社会保障関連の特別会計の伸びになどにより、前年度当初比2.1%の増額となった。また、下水道事業会計は37億5960万円で、前年度当初比1.9%の減小となる。
主な事業のうち、施設一体型小中一貫モデル校整備事業では、基本設計や既存施設の劣化度調査などに着手する。この事業は、北竜台地域の小中学校3校(永山小学校、松葉小学校、長山中学校)について、施設の老朽化や少子化などから小中一貫校として整備するもの。建設地は長山中学校の敷地内を活用し、既存施設を活用しながら必要な校舎などを増設する。新年度から基本設計に着手し、27年度の開校を目指す。
市道第1-380号線(佐貫3号線)整備事業では、用地取得などに向け、3月補正での前倒し分含め3億4550万円の事業費を盛り込んだ。佐貫3号線は、龍ケ崎市駅から北竜台市街地方面や牛久市方面へのアクセス向上を目的としたもので、1979年に都市計画決定し、91年に佐貫駅東土地区画整理事業地内が供用を開始した。現在の計画延長は2030m(幅員12m)で、未整備区間の延長約900mの整備を進めていく。
このほか、公共施設では、市道第1-45号線整備事業・市道第3-373号線外整備事業に4800万円(3月補正で前倒し)、市道第3-309号線整備事業に5450万円、文化会館の小ホール内装改修等工事に8436万円、総合運動公園の外灯・共有スペースなどの照明LED化工事に9706万円、旧小貝川護岸補修工事に5000万円などを予算化。このうち、市道第3-309号線整備事業では、旧長戸小学校の有効活用や避難施設への誘導路確保に向けて道路拡幅などを計画している。
DB方式で進めている新学校給食センター整備事業では、3月補正での前倒し分含めて9億0988万円の事業費を確保する。この事業では、事業者である大昭・増川JVグループ(大昭建設、増川建設、青山建築設計事務所)により設計をまとめているところで、年度内にも建築工事に着手する見通し。順調に進めば、23年9月の供用開始を目指している。
今回の予算化を見送られた新長戸コミュニティセンター建設事業や新保健施設建設事業については、事業を取り止めるのではなく、一度事業を精査した上で、早ければ新年度中にも事業費を計上する考えだ。