夏にも基本設計 上大津統合小 公民館と複合化を検討(土浦市)

[2022/2/11 茨城版]
 土浦市は上大津地区の統合小整備について基本計画の策定を進めている。昨年末に開催した開校準備協議会では、施設のコンセプトや計画方針など基本計画案の一部を明らかにした。それによると、上大津地区の統合小では敷地内に公民館機能を設置し、小学校と公民館の複合化を検討していることが分かった。市では公共施設の複合化によって、維持管理などのコスト削減やコミュニティスクールへの活用などを計画している。なお、基本計画の進捗は現時点で素案が完成し、検討会で審議を進めている状況にある。今後は3月中にもパブリックコメントで意見を募集する予定。基本計画策定後は、来年度夏ごろにも基本・実施設計をプロポーザルで実施する見通しだ。

 この事業は、上大津地区の生徒数減少を受けて、上大津東小学校と菅谷小学校を統合するもの。統合先については土浦第五中学校付近に決定。統合校は施設分離型の小中一貫校として整備する。なお、基本計画は建設技術研究所(東京都中央区)が担当している。

 昨年12月末には、第2回上大津地区統合小学校開校準備協議会を開催。その中で新校舎整備の考え方や全体施設計画など、基本計画案の一部について協議を行った。

 それによると、メインコンセプトを「地域・小学校・中学校が連携した地域の拠点となる学校」に設定。基本方針には、▽安心・安全な学校づくり▽心の豊かさを養う学校づくり▽地域に開かれた明るい学校づくり▽新たな学びを積極的に取り入れた学校づくり▽環境に配慮した学校づくり▽持続可能な学校づくり──を盛り込んだ。

 今回の計画でハード関連の主なものとして、公民館との複合化や新型コロナ対策などを追加。公民館との複合化は、人口減少や公共施設の維持管理費の削減などを踏まえて、検討を進める。複合化のメリットとしては、施設機能の共有による学習環境の高機能化や多機能化、児童生徒と施設利用者の交流、地域における生涯学習やコミュニティ拠点の形成などが期待できる。

 施設の複合化について協議したところ、目立った反対意見はでていないという。なお、市で学校と公民館の複合化に取り組むは今回が初の試み。今後は、県外の事例などを参考にしながら、実現の可否を決定していく。

 感染症対策としては、ソーシャルディスタンス確保のために普通教室の規模を変更することや、教室と廊下間の壁を撤去したオープン式の採用、保健室内に隔離スペースを設置することなどの内容を盛り込んだ。

 施設配置としては、ラーニングセンターを中心に配置し、地域住民と小学校、土浦第五中学校との連携が図れるようにする。なお、ラーニングセンターは、図書館や多目的室、地域開放を行う特別教室などの機能を有する施設を想定する。

 このほか、サブグラウンドに既存の森を生かしたビオトープや畑などの設置、ユニバーサルデザインの採用、将来的な用途変更などにも対応しやすい構造・設備計画、動線計画なども盛り込んだ。

 また、統合小学校の整備と並行して、中学校施設の共有化についても検討を行う。対象はプールとグラウンドとなる。このうち、プールについては施設の老朽化が進んでおり、改修を行うか、校外の施設を利用するかどうかについて決定する。22年度に協議を行い、年度内に方向性を決める予定だ。

 概算事業費については、3月に公開を予定する基本計画案の中で明らかにする予定となっている。

 基本計画策定後のスケジュールとしては、22年度には用地買収と地質調査、埋蔵文化財調査、基本設計などを行う。このうち、基本設計についてはプロポーザルの採用を予定しており、順調にいけば7月ごろにも告示する見通し。基本・実施設計は24年度中に策定し、建設工事に着手する。工事は26年度中の完成を予定し、開校は27年4月になる予定だ。

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