公共事業費に国補・県単733億円 投資的経費が0.3%減 足利高整備で33億円(県新年度予算案)
[2022/2/9 栃木版]
県は8日、2022年度当初予算案を発表した。一般会計は1兆0086億円で、過去最大となった前年度当初を68億円(0.7%)下回るものの、2年連続で1兆円の大台を超える規模を編成した。このうち投資的経費は、補助・直轄事業費が減少したものの単独事業費が伸びたことで、全体としては0.3%減の1415億円となっている。公共事業費に国補・県単あわせて733億円を計上するとともに、足利高校整備事業費33億円や那須庁舎整備費31億円、堤防緊急対策プロジェクト事業費28億円、県庁舎等長寿命化推進事業費23億円、県立学校施設長寿命化推進事業費23億円などを予算化している。 =2面に主要事業の概要
予算編成にあたっては、「政策経営基本方針」に基づく▽新型コロナウイルス感染症の克服とポストコロナにおける「新たな日常」への対応▽デジタルトランスフォーメーションの推進▽脱炭素化の取り組みなどの推進▽第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」および第22回全国障害者スポーツ大会「いちご一会とちぎ大会」の開催とレガシーの継承」の積極的な展開-を図るとともに、「とちぎ未来創造プラン」と「とちぎ創生15戦略(第2期)」を着実に推進するための予算を編成した。
歳入面は、企業業績の改善に伴う法人関係税の増収などで県税が180億円の増となり、地方譲与税も138億円の増となった。一方、国の地方財政計画などを受けて地方交付税と臨時財政対策債があわせて290億円の減となるほか、高齢化の進行で医療福祉関係費が増加するなど引き続き財源不足が生じたことから、県債の発行や県債管理基金の活用などで所要財源を確保した。
歳出面は、義務的経費が職員費や公債償還費などで減となったものの、医療福祉関係費や税交付金などの増加で全体では1.3%増加し、5282億円となった。投資的経費は、東日本台風の災害復旧費が減少したことなどで補助・直轄事業費が1.4%減少したが、単独事業費は県立学校の施設整備などで1.1%増加し、全体では0.3%減の1415億円となっている。その他の経費は国体開催経費が増となったが、新型コロナウイルス感染症で影響を受けた企業の資金繰りを支援する県単貸付金が減少したため、全体としては3.9%減の3452億円となる。
投資的経費のうち、国補公共事業費は前年度比3.1%増の589億円で、直轄事業費は0.3%増の56億円。災害復旧費は、東日本台風の復旧事業の進展により38.7%減少し、21億円を計上する。なお「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」など国の経済対策への対応は、本年度2月の補正予算案に前倒して計上する。
県単公共事業費のうち、県単公共事業費は2.7%減の144億円。内訳は、県単土木事業が2.7%減の138億円で、県単農業農村整備事業費と県単林務事業費は前年度と同様に3億円ずつ計上している。
特別会計は、公債管理特別会計が38.2%増加した影響で、9会計の総額が前年度当初比2.5%増の2240億5361万円となる。企業会計は、病院事業会計が皆減。その他の会計の資本的支出は、流域下水道事業会計が7.8%、電気事業会計が2.6%、用地造成事業会計が33.7%それぞれ増加したものの、水道事業会計は7.2%、工業用水道事業会計は45.0%、施設管理事業会計は74.3%減少し、6会計の合計は2.1%減の302億6000万円となっている。