年度内に公募開始 流通系の複合産業拠点開発(守谷SA土地区画整理)

[2022/2/2 茨城版]
 守谷市の常磐道守谷SA周辺で計画する土地区画整理事業で、早ければ年度内にも業務代行予定者の公募を開始する計画だ。現在は、昨年12月に設置した地権者による組合設立準備会を中心に、公募要領の策定を進めているところ。業務代行予定者は8月ごろまでに決定するもようで、22年度は準備会とともに事業計画の検討などを進めていく考えだ。

 この事業は、守谷SA周辺について、スマートICや都市計画道路供平板戸井線の整備に合わせて、沿道の環境・景観を保全しながら、農業環境と調和する計画的な産業流通系土地利用を検討するもの。対象区域は、守谷サービスエリアの西側約60ha(地権者約150人)で、スマートICに隣接するという立地条件を生かし、産業流通系を中心とした複合産業拠点開発を進める予定だ。あわせて、守谷サービスエリアとの連携も見据えた商業系施設などの誘致も想定している。

 19年3月に第1回説明会が開かれたあと、意見交換会や意向調査などを経て、21年7月に地権者代表20人による発起人会を設立した。10月には基本構想などの説明会が行われ、12月には発起人会の12人で構成する準備会が設立された。

 21年10月現在の概略事業計画によると、約60haの土地利用では、宅地に41ha、道路や河川・水路、調整池、公園・緑地などの公共用地に約19haを充てる。総事業費は171億円を試算し、支出では、造成費に138億円(公共施設の築造、上下水道などの整備、整地、その他)、移転などの補償費に約10億円、調査設計費や事務費に約23億円を投じる。造成費のうち、整地費には造成や軟弱地盤対策、盛土などで約63億円を投じる計画で、20年12月時点の計画からは約4億円ほど増額されている。

 将来のまちづくりに向けた検討事項には、▽緑の景観への配慮▽無電柱化への対応▽スマートシティの実現──を掲げる。公園・緑地などの配置については、同地区の個性的な緑の景観(斜面緑地など)との親和性や連続性、にぎわい創出ゾーンにおける憩いの場、常磐自動車道やTXから見た同地区としての顔、玄関口にふさわしい景観などの検討を進めるとされている。スマートシティの実現では、企業誘致を目的にICTインフラの整備促進を目指した高速・大容量のローカル5Gの構築や、市が推進しているスマートシティ計画「Moriyaグリーン×スマートシティ」に則ったまちづくり等を検討することが望ましいとしている。

 事業形態は、組合施行による土地区画整理事業を予定し、事業手法では組合の設立準備から事業完了までの各業務について、豊富なノウハウを生かした民間事業者が代行する業務代行方式を採用する。業務代行予定者は、準備会とともに事業計画の策定や土地利用意向の確認を進め、事業実施への同意が得られれば、組合の設立へ進む運びだ。守谷市では、組合設立に向けて対象区域の市街化区域編入に向けた農林漁業調整や都市計画変更の手続きを進める。

 組合の設立は23年度以降となるもようだ。26年度に一部供用を開始したあと、30年度ごろの事業完了を目指している。

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