市場調査を開始 千波公園で民間活力の導入(水戸市)
[2022/2/1 茨城版]
水戸市はこのほど、「千波公園の魅力向上に向けたマーケットサウンディング調査」の実施要領を公表し、参加受付を開始した。今回の調査では、民間事業者との対話を通じて、公園の魅力向上につながるアイデアや参加しやすい条件などを把握する。事業規模は、1店舗単独から複合施設まで自由に提案できる。個別対話参加受付は4日まで受け付ける。市は民間事業者の意見を整理したうえで、事業者選定の準備に取り掛かり、来年度中にも事業者選定を行う見通しだ。
千波公園は、偕楽園公園とともにさらなる魅力の向上に向け、県との連携や官民連携により整備を進めている。整備にあたっては、16年度に策定した偕楽園公園(千波公園等)整備基本計画に基づき、市民の憩いの空間として、観光交流拠点として再整備を行う。
再整備の際には事業手法にパークPFIを導入することを決定。民間活力の導入により、誰もが気軽に利用できる施設を整備し、来園者に更なる付加価値を与えることが出来るような賑わい創出拠点の形成を目指す。市では飲食・物販などの機能を有する複合施設の整備を想定している。
この複合施設の整備に向けて市は19年にマーケットサウンディング調査を実施し、民間事業者の意向を把握していた。その際には多数の業者が参加し、意欲的な意見が多く出ていたという。しかし、その後、新型コロナウイルスの影響により、社会情勢が大きく変化。これを受けて市は改めて市場調査を実施し、民間事業者の意向を再び把握することになった。
調査の対象区域は千波公園の一部である黄門像広場周辺地区で、面積は約1万7000平方m。レイクサイドボウル跡地を含めた一体的な整備に優先的に取り組む。事業規模は、1店舗単独用途の規模から複合施設までとし、自由な提案を求めている。なお、設置可能な建築面積の合計の上限は5000平方mとなる。
提案内容としては、▽基本コンセプト▽想定するエリア▽想定する施設の概要、施設構成、土地利用・配置イメージ▽想定する魅力向上のための仕掛け▽事業実施により高まることが想定される公園の工法、事業効果▽事業実施条件▽周辺地域との連携および地元貢献について▽想定する課題▽新型コロナウイルス感染症の影響などについて──などを盛り込む。
参加資格は公園への民間施設導入について、事業主体として関心と意欲を有する民間事業者であることが求められる。なお、グループで参加する場合は、主たる役割を担う代表者を1者選定すること。
個別対話参加のエントリーは4日までとし、提案書は7日から18日まで受け付ける。個別対話は22日から25日かけて実施する。3月にも提案結果をとりまとめた後、公表を行う見通しとなっている。
市では偕楽園関連の整備として、千波公園へのパークPFIの導入に加えて、機能向上施設や駐車場の整備、周辺道路の拡幅事業などを進めている。
実施計画によると、偕楽園公園(千波公園)整備の事業費として22-23年度の2カ年で3億8000万円を計上。22年度にはパークPFI事業者を選定するとともに、機能向上施設の調査・設計、駐車場整備工事を行う。23年度には機能向上施設とトイレなどの整備工事を実施していく見通しだ。このうち、機能向上施設は、公園利用者の利便性向上を目的とした施設となる。施設の機能や規模についてはこれから検討していくという。
周辺道路の拡幅整備については、22-23年度の2カ年で事業費に1億4000万円を試算。対象は上市228号線となり、22年度に詳細設計と用地測量、用地取得を実施。23年度には道路拡幅工事に着手する予定となっている。
サウンディング調査への詳しい問い合わせは、都市計画部公園緑地課(電話029-232-9214)まで。