基本設計を公告 産業廃棄物の新最終処分場(県資源循環推進課)
[2022/1/29 茨城版]
県資源循環推進課は21日、「新産業廃棄物最終処分場基本設計業務」の一般競争・電子入札を公告した。開札日は2月14日とし、工期は22年3月31日に設定。競争入札参加資格などの確認は2月3日まで受け付ける。基本設計では、策定を進めている基本計画の内容を踏まえ、主要施設の配置や規模、形状、構造などの基本的内容を設定していく。
この事業は県関与産業廃棄物最終処分場エコフロンティアかさまの継続施設として、新たな産業廃棄物最終処分場を日立市諏訪町地内に整備するもの。本県の産業廃棄物最終処分場は04年度以降、新規の設置許可がない状況にある。さらに、エコフロンティアかさまの埋立進捗は、20年度末で約75%まで進み、近い将来にひっ迫することは必至となっている。そこで、県は新たな産業廃棄物最終処分場を整備するために、基本計画に着手した。昨年9月には有識者で構成する基本計画策定委員会(委員長・大迫政浩国立環境研究所資源循環領域長)を設置。これまでに計3回の会合を開催し、最終処分場の整備内容について検討を進めてきた。なお、同業務はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田)が担当している。
最終処分場の概要については、これまでの検討から、埋立地の規模は約9.8ha、容量は約244万立方mとし、オープン型処理場で整備する。施設の受入計画量は年間15.2万tに設定し、埋立期間は20年から23年間程度を予定。敷地内には埋立地に加えて、出水処理施設や防災調整池、管理棟、計量棟、展開検査場、環境学習施設などを配置する。浸出水処理施設の処理規模は1日あたり400立方m、調整槽容量は3万0330立方mとなる。概算工事費は、1月末以降に開催予定の第4回検討委員会で明らかにする見通しとなる。
今回公告となった基本設計業務では、基本計画や各種調査の資料に基づき、主要施設の配置や規模、形状、構造などの基本的内容を設定する。あわせて、実施設計の基礎資料を作成することを目的としている。
このうち、検討する項目としては、▽埋立処分工法と埋立計画▽埋立地造成計画・貯留構造物▽遮水工▽地下水集排水設備▽浸出水集排水設備▽ガス抜き設備▽浸出水取水・調整・導水設備▽浸出水処理施設▽雨水集排水設備▽防災設備──などを盛り込む。
また、管理施設関連として、▽管理棟▽計量施設▽展開検査場▽場内道路▽洗車設備▽待機所および一般車両駐車場▽門・囲障設備▽環境学習施設(外構)▽モニタリング設備▽飛散防止設備▽再生可能エネルギー発電設備──などの設計も行う。
参加資格は茨城県内の本店または支店などを有し、県建設コンサルタント業務の測量業務と土木関係建設コンサルタント業務、建築関係建設コンサルタント業務、地質業務のすべての認定を受けていることなど。また、契約実績として、1998年以降に国または地方公共団体(広域行政組合を含む)が発注するオープン型管理型最終処分場基本設計委託業務(ただし、埋立容量100万立方m程度の大規模施設に限る)を行い、かつ誠実に履行したことなどが求められる。
競争入札参加資格などの確認は2月3日までとし、入札書の提出は10日まで受け付ける。
現在検討を進めている基本計画のスケジュールは、1月末以降に開催予定の第4回検討委員会で基本計画案を取りまとめる。計画案完成後は市民報告会を開催し、その後、基本計画を策定する見通し。基本計画策定後には基本設計に着手するほか、来年度には用地取得にも取り掛かる予定となっている。